言葉だけじゃたりない?!

日本語教師わかばの綴る日常のあれこれ。映画や本について書くことが多いです。たまに旅行記やアウトドアも。

本No1【わかりあえないことから~コミュニケーション能力とは何か 平田オリザ著】

中学生のとき、年上のいとこの友達のスイス人留学生に会いました。

その人に、英語で手紙を書きました。

そしたら、返事が返ってきました。

その後、2,3回のやり取りをしました。

英語でも通じる・・・!

中2の私の感動は、その後の人生を決める指針となりました。

おはようございます。

わかばです。

 

今日は、本の紹介の第1回ということで、

標題のとおり、

「わかりあえないことから~コミュニケーション能力とは何か」

平田オリザ著(講談社現代新書

を紹介したいと思います。

わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か (講談社現代新書)

 

本屋で偶然みつけて、購入したのですが、

私は日本語教師をメインの生業としております。

その仕事のヒントがあるのではないかと思い、

手に取ったのです。

購入してから何か月か経った先週くらいから

読み始め、釘づけとなりました。

 

仕事である日本語教師の現場で悩んでいること。

子育てで迷っていること、

に対する、明確な答えはありませんが、

心の持ちようを教えてくれる本で、

新しい一歩を踏み出そうという勇気をくれる

良書です。

 

ざっくりいうと演劇家である著者は

演劇をとおして、子どもたち(大人も含む)

のコミュニケーション能力をあげる取り組みをしています。

 

小中学校だけではなく、

日本語教育にも触れてあります。

 

そして何が勇気をくれるかというと、

本質をついているからなのです。

 

日本語教師のみなさんも

小中学校の先生も

子どもを育てるお母さんも、

多分、「コミュニケーション能力って何?」

と聞かれて、上手く答えを出すことのできる人はいない。

 

たとえば、職場でも、コミュニケーション能力について

評価することがあるけど、私は実はそれに違和感を感じている。

明るくてたくさん話す人は、評価がよく、

そうでない人は、評価が悪くなりがち。傾向として。

でも、口数の少ない人はコミュニケーション力がないの?

人に好印象を与えて、たくさん話せばあるの?

そもそも、評価する私たちにコミュニケーション力はあるの?

というか、コミュニケーション力って何なのさ?

 

筆者は著書のなかでこう書いている。

私が一番印象に残った部分だ。

 

私たちは、「心からわかりあう関係を作りなさい。」「心から分かり合えなければコミュニケーションではない」と教え育てられてきた。

 しかしもう日本人はわかりあえないのだ・・・

(中略)

「心からわかりあえないんだよ、すぐには」

「心からわかりあえないんだよ、初めからは」

その点が、今日本人が直面しているコミュニケーションの観の大きな転換の本質だろうと私は考えている。

 心からわかりあえることを前提とし、最終目標としてコミュニケーションと言うものを考えるのか、「いやいや、人間はわかりあえない。でも、わかりあえない人間同士が、どうにかして共有できる部分を見つけて、それを広げていくことならできるかもしれない」と考えるのか。

 

わかりあえないって肝に銘じていたら、

誰かとわかりあえたとき、すごく感動すると思う。

 

初めて、英語で手紙を書いて、

その返事が読めたときみたいに。

 

渇いた心に言葉のひとしずくを・・・

わかばでした。