日本語教師わかばの教え方がうまくなるブログ

日本語教師わかばのことばにまつわるあれこれ。ライターもやってます。旅行と映画と本が好き。

書評【坊ちゃん】人間は好き嫌いで働らくものだ

 

夏になってきました。

夏になると俄然、名作古典が読みたくなりますね。

多分、新潮文庫の100冊のせいだと思いますが。

 

数年前にドラマにもなりましたね。

坊っちゃん [DVD]

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さて、「坊ちゃん」を読んだのは、大学生の頃でした。

その頃は、とりあえず名作を読もうと思っていただけで、

読んだあとも、大した感想はなかったのを覚えています。

 

「赤シャツ」とか「うらなり」とかの名前は覚えているけど、

そのキャラがどんなものだったか、到底思い出せない・・・。

 

というわけで本棚から引っ張り出してきて

再読しました。

今日は夏目漱石の「坊ちゃん」を紹介します。

 

坊っちゃん

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坊ちゃんのあらすじ

親譲りの無鉄砲で子供の頃から損ばかりしている。

 

有名な書き出しですね。

東京生まれの生粋の江戸っ子「坊ちゃん」は、

同級生にバカにされた腹いせに2階から飛び降りたり、

ナイフで指を切ったりします。

 

そんな「坊ちゃん」が松山の中学校に、

中学教師として赴任することになります。

 

そこは、超保守的な田舎でした。

 

中学校には、教頭の「赤シャツ」「山嵐」「マドンナ」

「うらなり」など個性のたつ人物が登場します。

そんな面々とも自分流を貫く坊ちゃんは、

そこいらでトラブルを引き起こします。

 

さてさて、どんなトラブルを惹きおこすのでしょうか…

というお話です。

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坊ちゃんの感想

坊ちゃんになりたい

・・・面白い!!

・・・面白すぎです!!

一気に読んでしまいました!!

 

十数年前には私の心をほとんど動かさなかった物語が、

今、私の心をぐるんぐるんと揺さぶっています!!

本っていいですよね。こういうところが。

当時の私はこの面白さがわからなかった。

そして、心底思いました。

私も「坊ちゃん」になりたい、と。

 

人間は宛てにはならない

社会にでて十数年。

世の中には、数々の理不尽のあることを知りました。

「それはあかんやろー。」と思っていても、

実際に口に出す人はいません。私も出しません。

 

本当に人間程宛にならないものはない

 

と思いながら、日々、組織の歯車となっている・・・

100年前の世の中も、100年後の現在も人間社会は同じです。

 

しかし、ここからが物語です。

免職を覚悟した「坊ちゃん」と「山嵐」は

「赤シャツ」を懲らしめるため仕返しを画策して、

成功させます。明治の「倍返し」です。

 

坊ちゃんのようにまっすぐに

現実社会では、今も昔も、

仕返しできないことがほとんどです。

「仕返ししてやりたい」と思いつつ、

お金のこととか、将来のこととか考えるとできない。

でも、物語の中ではそれができる。

それを読むとスッキリする!

私は夢中になったドラマ「半沢直樹」を思い出しました。

 

私は下に引用した言葉がすごく好きです。

 

「金や威力や理窟で人間の心が買えるものなら、高利貸でも巡査でも大学教授でも一番人に好かれなくてはならない。中学の教頭くらいな論法でおれの心がどう動くものか。人間は好き嫌で働らくものだ。論法で働らくものじゃない。

 

私も「坊ちゃん」のように自分に正直に、

取り繕うことなく、まっすぐに生きたいです。

 

正月明けで仕事が嫌なあなたに「坊ちゃん」を。

では、さようなら~。

こころ 坊っちゃん (文春文庫―現代日本文学館)

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(追記 2019年2月3日)

 

いやあ、現実の世界では仕返ししないと書きましたけど、

現実の世界でも、

覚悟を決めたら人は動くのだということを

まざまざと見せつけられております。

 

また、ひとりの覚悟が、周りの人々を感化させ、

それは波のようなうねりとなって、

今までさんざん悪事を働いたものを飲みこんでゆくのです。覚悟!

 

では、また~

www.wakaba-nihongo-writer.net

 

 

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