日本語教師わかばの教え方がうまくなるブログ

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映画No11【ヴィオレット―ある作家の肖像―】

今日は京都も雪でした。

冷たい空気は、

心をしゃんとさせてくれるような気がして、

好きです。

 

こんばんは。

わかばです。

 

昨日、「極限まで忙しくする」と宣言したので、

午後の予定をうめるべく

映画を見に行ってきました。

今年初映画館!

東京へ行ったときにおおきなポスターを見て、

絶対見たいと思っていた映画です。

なんしかコピーが「書くことが、生きること。」

他人事ではありません。

今日は映画「ヴィオレット―ある作家の肖像―」(2013/仏)を紹介します。

監督:マルタン・プロヴォ

主演:エマニュエル・ドゥヴォス


『ヴィオレット-ある作家の肖像-』映画オリジナル予告編

ポスター アクリルフォトスタンド入り A4 パターンB ヴィオレット ある作家の肖像 光沢プリント

あらすじ(シネマトゥディより)

非嫡出子として生まれた、ヴィオレット・ルデュック(エマニュエル・ドゥヴォス)。同性愛者の作家モーリス・サックスオリヴィエ・ピィ)と出会い、作家で思想家でもあるシモーヌ・ド・ボーヴォワール(サンドリーヌ・キベルラン)に文章の才能を認められた彼女は、処女作「窒息」を1946年に発表する。性や自分の境遇などをつづった内容は、アルベール・カミュジャン=ポール・サルトルジャン・ジュネらに高く評価される。しかし、それに反して一般の人々から強く拒絶されて彼女は深く傷つき、彼女はパリから離れることに。

 

(以下、ネタバレ注意)

 

なんといっても、

ボーヴォワールヴィオレットの対比の印象が強いです。

光が強いほど、影は濃くなる。

そんな映画でした。

 

母親から愛情を受けずに育ったヴィオレットは、

承認要求の塊のような女です。

女としても男から拒否され、

せっかく出版した本も読んでもらえない。

おまけに、ブサイク。

お金もない。

超ロンリーな毎日。

妄想で小説書いています、みたいな。

 

それに対して、ボーヴォワールは、

超絶美人で男にモテて、

おまけに人気作家。

強くたくましい女性。

 

そんなボーヴォワールが「才能あるわよ」

なんていってくれるものだから、

ヴィオレットにとってボーヴォワールはキラキラ輝く憧れの人。

もうまぶしくってしょうがありません。

 

ボーヴォワールヴィオレットの

本が売れなくてどん底のときも、

精神的に病んでる時も、

「嫌なことがあったら、ぜんぶ書け。」

と励まし続けてくれます。

 

でもなんでボーヴォワールは、

ヴィオレットにそこまでしたのかな?

生活費の援助までして。

 

ボーヴォワールは女性の解放のために、

ペンで戦った人。

いわば、本音で生きた人。

サルトルという理解者がいたにしても、所詮男。

ボーヴォワールも孤独だったんだよね。

だから同志でいてほしかった。

最後に、母を亡くしたボーヴォワール

ヴィオレットの前で涙を見せる。

わたしは、そのシーンが好きです。

 

読むことも書くことも独りでできること。

でも、誰かとシェアしながら、したほうが断然楽しいし、

実になる。

 

そして、美人だろうが、ブサイクだろうが、

お金があろうが、なかろうが、みんな同じだってこと。

不安もあれば悩みもあるし、また喜びもある。

 

映画の中の2人の女性を通して

そんなことを考えました。

 

ボーヴォワール著作って読んだことないから(恥)

読んでみよう~。映画にもでてくる「第二の性」

決定版 第二の性〈1〉事実と神話 (新潮文庫)

決定版 第二の性〈1〉事実と神話 (新潮文庫)

 

 ちなみに、ヴィオレットの日本語版は絶版だそうです。

 

孤独な戦いに同志を。

では、また~。