日本語教師わかばの教え方がうまくなるブログ

日本語教師わかばのことばにまつわるあれこれ。ライターもやってます。旅行と映画と本が好き。

映画No32【牡蠣工場】外国人が日本で働くとはどういうことか?日本語教師が見るべき一本!

もう5月も半ばです。

一日一日を意識して過ごさないと、

あっという間に一生が終わってしまいそうです。

そんな時はお気に入りのWEEKEND WISH DIARY 週末野心手帳 2016 <1日1ページ式> : はあちゅう, 村上 萌 : 本 : Amazonに、

やるべきこと、やりたいことを書き込んだり、

感じたことをメモしたりしています。

 

こんばんは。

わかばです。

 

牡蠣工場(2016/日本)

今日は見落としがちな映画を

サクっと見てまいりました。

これは誰かのツイートで知ってちょうど上映中だったので、

観てきました。ドキュメンタリー映画です。

http://www.kaki-kouba.com/images/pic_intro1.jpg

 


岡山県のあるカキ工場を活写したドキュメンタリー!映画『牡蠣工場』予告編

監督:想田和弘

あらすじ:

 舞台は、瀬戸内海にのぞむ美しき万葉の町・牛窓(うしまど)(岡山県)。岡山は広島に次ぐ、日本でも有数の牡蠣の産地だ。養殖された牡蠣の殻を取り除く「むき子」の仕事は、代々地元の人々が担ってきた。しかし、かつて20軒近くあった牛窓の牡蠣工場は、いまでは6軒に減り、過疎化による労働力不足で、数年前から中国人労働者を迎え始めた工場もある。
 東日本大震災で家業の牡蠣工場が壊滅的打撃を受け、宮城県から移住してきた一家は、ここ牛窓で工場を継ぐことになった。そして2人の労働者を初めて中国から迎えることを決心。だが、中国人とは言葉が通じず、生活習慣も異なる。隣の工場では、早くも途中で国に帰る脱落者も。果たして牡蠣工場の運命は?

(公式サイトより)

岡山・牛窓

日本のエーゲ海と呼ばれているらしく、

穏やかな瀬戸内の海が美しい日本の田舎な感じでした。

前半はただひたすら、牡蠣工場で働く人たちと

その周りの風景が映し出されます。

田舎はどこでもそうかもしれませんけど、

港をブラブラ歩きまわるふてぶてしい白猫とか。

そのあたりがちょっと退屈で眠くなります。

正直、猫とかどうでもええし・・・。

 

 変わらざるを得ない町

21世紀なんかにならず、

ずっと家族で代々牡蠣工場をやっていける状況だったら、

どれほど幸せかわかりませんが、

時代というのは残酷なもので、

後継者は牡蠣では食っていけないのでサラリーマンになり、

働いてくれるのはオバチャンばかり。

だけど、そのオバチャンもおばあちゃんになりつつあり、

人手不足が深刻・・・

これって、日本中、どの業界も抱えている悩みですよね。

 

異文化の出会い

そこへ中国人労働者がやってくる。

住む部屋を準備したり、派遣業者に支払ったりで、

結構なお金がかかる。

受け入れるほうも不安・・・。

中国語のテキストを買って勉強したり、

受け入れている人に話を聞いたり。

実は、わたしも数年前に何度か中国人技術研修生の

日本語指導をしたことがあり、

これは、他人事とは思えない状況。

研修をして送り出したその後を見せてもらっているかのようでした。

 

やさしさときびしさ

実際この映画にでている中国人が

どんな研修を受けているのか全くわかりませんが、

「あぁ、やっぱり話せないもんなのだなぁ」

「聞けないもんだなぁ」と思いました。

「おはようございます。」「ありがとうございます。」

「これ、いいですか?」「おいしい」くらいかな。

その中でも着いたその日の晩に、

牡蠣を一緒に食べるシーンがあって、

その時に、「おいしい!」と言っていた笑顔が印象的でした。

でも次の日、海に出て行ったときは

どうすればいいのかわからなくて始終、不安な表情・・・。

となりの船の中国人に聞いたり・・・。

外国に来て働く。外国人を受け入れるって

本当に大変なことだと思いました。

 

おわりに

日本語教師の仕事ってなんだろうと思いました。

わたしたちの仕事は、この荒れ狂うグローバル化の暴風雨のなかで

へのツッパリにもなっていないのだと思い知らされました。

外国に出稼ぎに行く必要もなく家族とともに暮らしている身で、

また、クーラーの効いた部屋で授業と事務仕事をしているだけの身で、

きれいごとを並べる教師にだけはなりたくないなと思いました。

ただ、目の前のことに全力で取り組むことが、

この時代を生きる秘訣なのかもしれません。

そんなことを思いながら、中国人労働者の一挙手一投足に

釘付けになっていたら、急にシーンが変わってスクリーンに

あのふてぶてしい猫が再び映し出されてずっこけました。

 

晩御飯に牡蠣を。

では、また~。