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書評【いしぶみ 広島二中一年生全滅の記録】平和というものが、どんなに大切なものかいつも考えたい

【書評/いしぶみ】

2016年5月27日ー

それは第44代アメリカ合衆国大統領バラク・オバマ氏が

広島を訪れ、核兵器の廃絶を訴えた歴史的な1日でした。

ちょうど夕方テレビをつけたときに、

オバマ大統領の広島訪問を生中継していたので、

しばらく見入ってしまいました。


「核なき世界」オバマ大統領 広島声明ノーカット1(16/05/27)

スピーチの内容、素直にすごく感動しました。

 

今日は広島への原爆投下を考えるとき、

ぜひ読んでいただきたい一冊を紹介します。

わたしはこの本を斎藤孝著「読書力」で知りました。

読書力 (岩波新書)

読書力 (岩波新書)

 

 

 

いしぶみ 広島二中一年生全滅の記録

その1冊というのは「いしぶみ:広島二中一年生全滅の記録」です。

いしぶみ: 広島二中一年生全滅の記録

いしぶみ: 広島二中一年生全滅の記録

 

1945年8月6日、広島二中の一年生は、

爆心地の近く、本川の土手で疎開作業をしていました。

そして、8時15分に被爆しました。

 

その場で即死した子ども、なんとか逃げて家に帰り着いた子ども、

「お母さん、お母さん」と呼びながら道端で生き絶えた子ども、

みんな亡くなりました。

 

そのひとりひとりの死がどのようなものであったかを

記した子ども向けに書かれた本です。

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涙が止まらない

この本の帯には

日本にも戦争の時代があって、こんな悲しい出来事がありました。広島の悲劇を二度とくりかえすことのないよう、原水爆兵器をみんななくしたい、そして平和というものがどんなに大切なことかいつも考えたいのです。みなさんが大きくなったとき、そしてお父さんやお母さんになったとき、もう一度、この本を読み返してみてください。

と、あとがきからの引用があります。

 

この本を読むと子どもを失って、

絶望にあえぐ母親の気持ちが、痛いほど伝わって来ます。

なので、子どもをもつお父さん、お母さんにも読んでほしい本です。

 

三日間くるしみぬき、うわ言にB29をやっつけろ、勝て勝て日本、と叫びながら、役場の人や村の婦人会の人にみとられ、最後になんどもお母さん、お母さんといいながら死んでいったそうです。

 

寺の方に水を飲ませてもらい、その夜は一緒に寝かされた同級生と国歌をうたい、天皇陛下万歳のあと、お母ちゃん万歳といって死んでいったそうです。

 

この本を買ったときはまだ子どもがいなかったので、

そこまで思わなかったのですが、

子どもができてから読むと、やはり自分の子どものことを考えるので

涙がとまらなくなります・・・。

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亡くなった方々もわたしたちと同じです

オバマさんのスピーチのなかで、

もっとも印象に残ったのは

「なくなった方々もわたしたちと同じです」

という部分です。

 

家族と愛しい毎日を送っていた人の日常は

一瞬にして奪われたということを想像する。

それが自分だったら・・・ということを考えてみる。

それだけでも、未来に「核なき世界」を

実現する第一歩になるのかもしれない。

 

どこの国が、ではなくて、人間として考える。

人間というのが何なのか考える。

それが大事、というメッセージを受け取りました。

 

オバマさんのスピーチを聞かなかったら、

しばらくこの本を手に取ることはありませんでした。

でも、今日というこの歴史的な一日に、

この本を手に取って、読むことができ良かったと思います。

 

テレビのスピーチは同時通訳が入っていたので、

近いうちにじっくりと英語で聴いてみたいなと思いました。

 

世界に平和を。

では、また~。

 

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