梅雨のせいでしょうか?
最近、眠くて眠くてたまらないのです。
一日4コマの授業をするだけで、
クタクタになってしまって、
家事をするのも放棄してすぐに寝てしまいます。
老化現象でしょうか?
こんばんは。
わかばです。
わたしの神様
小説キャンペーン、絶賛実施中です。
今日は元TBSアナウンサーの小島慶子さんによる
「わたしの神様」を紹介します。
以前、新聞広告でみて、よみたいなぁと思って忘れていたら、
文庫本になっていたので、すかさず購入しました。
これは、あるテレビ局を舞台に、
繰り広げられる女子アナの勢力争いの物語です。
カネ、男、美貌そのすべてを使い、
テレビを通して日本中の注目を集めようとする野望は
戦国武士のようです。
そして、女子アナでない私たちはそんな世界が
まったく理解できないかと思いきや、
実はわたしたちの世界にも同じようなことが頻発しているがゆえに
ただのエンタメではなく、著者の言葉に唸らされる結果ともなります。
美人じゃなくてヨカッタ。
高校生のときは、美人な子は男子にもてたし、
先生の覚えもめでたく、正直「いいなぁ」って思ってました。
でも、この本を読んでいると、かわいくてきれいでチヤホヤされると
それも、それでまた地獄なんだなってことがわかります。
主人公のまなみは超絶美人な女子アナ。冒頭で、
この顔はわたしが選んだわけじゃない。(中略)不細工に生まれたからって容姿のいい人間のことをどういったって構わないっていう特権を手にしていると思わないでほしい。あんたがブスなのはわたしのせいじゃない。
とか言ったりします・・・。
それで、バラエティから報道キャスターへの転身を図るのですが、あえなく失敗。
美しさゆえに、数多の男が寄ってたかって、まなみを利用しようとします。
まなみも自分が注目されることしか考えていないおバカさんなので、
あれよあれよという間に転落していきます。
わたしは美人じゃなくてヨカッタ。
そこまでの自意識に振り回されるのは嫌だから・・・。
女子アナの子育て
もう一人の登場人物のアリサはキャスターの座をまなみに譲って育休にはいります。
人一倍熱心に育児書を精読して、できることはすべてやっている。優秀な母親だ。なのに愛は寝ないのだ。
赤ん坊一人抱えただけで、ゆっくり本も読めない。一日中振り回されて、自分のことに構う時間もなく、理不尽な要求に果てしなく付き合わされるのだ。
おお、わかるわかる。
勉強ができようが、仕事ができようが、
年収がよかろうが、美人だろうが、
育児は大変なんだよな~。半分、動物になるってことだから。
他人は思うようにはなりません。頑張っても、報われないことは絶対にあります。
それを教えてくれるのが育児なのです。
人生は正と負。すべてのピースがそろうことはありえない。
「すべて持っている」「人がうらやむ」「評価されたい」
というフレーズが、
この小説にはたくさん出てきます。
でも、そんな人はどこにもいません。
そのように見えて、ただならぬ苦しみを抱えているし、
それは他人が外から見た目ではわからないことです。
そもそも、誰も他の人の痛みなんてわからないですよね。痛みは、本人しか体験できない。体も心も人それぞれ固有のものだし。それが平凡な痛みなのか、すごく特異な痛みなのかなんて、比べられないですよ。傍目に大変そうに見えるかどうかだけで判断するのは、暴力だと思う。
さいごに
自分が「もっと注目されたいから」「権力がほしいから」という理由で、
努力し続けてもいつかかならず破綻する。
「じゃあ、どのように生きればいいか?」
そこからどう生きるか?というところまでは、
この小説はないのだけれど、
実際、人生ってそこからだと思います。
そういうことを教えてくれる小説だったなと思います。
本当におもしろいです。
一気読み必至は本当でした。
わたしは、通勤2往復半くらいで読めました。
通勤に小説を。
では、また~。
こちらもおもしろいです☆どうぞ