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言葉だけじゃたりない?!

日本語教師わかばの綴る日常のあれこれ。映画や本について書くことが多いです。たまに旅行記やアウトドアも。

本No44【下り坂をそろそろと下る】今日本人に必要なのは寂しさに耐えることだ。

実は小豆島の帰りに姫路城に行ってきました。

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青空に映える白鷺城です。

この日はとにかく暑くって暑くって、

天守閣まで階段で登ったのですが、

吹き出す汗がとまりませんでした。

しかも、スゴイ人で、

さすがに世界遺産というのはすごいなぁと

思ったことです。

 

こんばんは。

わかばです。

 

平田オリザ著 下り坂をそろそろと下る

本屋で見つけて買いました。

副題があたらしい「この国のかたち」です。

小豆島の旅行中にところどころで読んでいました。

日本人の閉塞感の正体のかけらがわかる本です。

今日は、この本を紹介します。

 閉塞感・・・。

ここ数年のことを仕事とともに思い返してみると、

東日本大震災が起こる少し前から、仕事はすごく少なくなっていて、

大震災が起こった時は首都圏までは行かないけれど、本当に授業が減って、

円高で学生も少なかったのに、安倍政権になったとたん、盛り返して

東京オリンピックのこともあり、仕事はどんどん増えたけれど、

自分の中の精神構造が劇的に明るくなったかと言えば、

そうではなく、むしろこの国を覆い尽くす「閉塞感」はぬぐえず、

自分もこの国の一国民として、その「閉塞感」感じているわけです。

 

この国は成長しない

だけど!この「閉塞感」の原因って何なの?

と問うと、筆者がいうには・・・それは「寂しさ」だと・・・。

 

さて、わたしたちはおそらく、いま、先を急ぐのではなく、ここに踏みと

どまって、三つの種類の寂しさを、がっきと受け止め、受け入れなければならないのだと私は思っています。

 

一つは、日本は、もはや工業立国ではないということ。

もう一つは、もはや、この国は成長はせず、長い後退戦を戦って行かなければならないということ。

 そして最後の一つは、日本という国は、もはやアジア唯一の先進国ではないということ。

 

これは前書きからの引用ですが、

これだけで自分は不治の病なのではないかと疑っていた病人が、

医者に「もう治りません」と本当のことを言われて、

逆に安心してしまうような心持ちと似ているものがあります。

 

じゃ、寂しさに耐えて、華麗に下り坂を下るためにはどうすればいいか?

 

そのために必要なこと

「ネジを90度曲げなさい」と言われたら素直に90度曲げる能力(=基礎学力)をつけるのが工業立国の教育だ。(中略)そんな従順で根性のある産業戦士は、中国と東南アジアにあと10億人ほど控えている。(中略)「ネ野ジを90度曲げなさい。」と言われても、「60度を試してみよう」という発想や勇気、「180度曲げてみました、なぜなら・・・」と説明できるコミュニケーション能力や表現力のほうが、より強く求められる時代が来る。

うわーこわいですね。

だから、自分だからこそ、できる何かをみつけなきゃいけない。

それは前時代的な「日本のハイテクノロジー」とかそんなものではなくて、

自分が衰退するこの国でどう生きるか?

それをどう伝えられるか?ってことにつきますね、

そのためには本読んで、いろいろ経験して、出会って、

自分の思いを伝えていくしかないってことだと思います。

 

寛容と包摂の社会へ

本当に本当に大事なことは、たとえば平日の昼間に、どうしても観たい芝居やライブがあれば、職場に申し出て、いつでも気軽に休みが取れるようにすることだ。職場の誰もが「あいつ、サボっている」などと感じずに、「なんだ、そんなことか、早くいってくれよ。その仕事なら俺がやっておくよ。舞台を楽しんできな」と言い合える職場をつくることだ。

うわーでも、そんなん無理じゃない?

でも、それくらいじゃないと人も社会も変われない。

みんなが本を読んだり、舞台や映画を楽しんで、

そのことについて語り合えるようなコミュニティができないと、

やっぱり「工業立国」の幻影に執着するしかなくなるのかなと思う。

 

さいごに

この本を読んで、時代は明らかに変わりつつあるのに、

企業や教育現場で、昔ながらのやり方で工夫もせずに

「うまくいかないのはなんでや!?」といいながらやっている。

実は「もうそのやり方では上手くいくはずはない」とうすうす気づいているのに。

うすうす気づいている人はこの本を読むだろうし、

何も気づいていない人は手にとることもないだろう。

だけど、この本を手に取るような人が各コミュニティのリーダーになる頃、

日本は華麗に下り坂を下った素敵な国になっていると信じたい。

 

下り坂をそろそろと下る (講談社現代新書)

カツカツの庶民にも文化を。

では、また~。

 

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