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日本語教育【テスト】評価をするという違和感

中秋の名月

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SNSのタイムラインがお月様だらけになった昨日。

京都の月、東京の月、台北の月・・・。

みんな同じお月さま見上げてるんだよなぁ・・・。

ってしみじみしました。

こちらはわたしが見ていたお月さま@大津市です。

 

こんばんは。

わかばです。

 

口頭試験でした

先日、勤務している日本語学校で期末試験が行われました。

期末試験には口頭試験というものがあります。

まぁ、平たくいうと、先生がインタビュアーとなり質問をし、

それに学生が答えるというもの。1対1です。

このテストにはチェックをする先生もいます。

この日は自分が担任しているクラスのテストで、

わたしはチェックを担当していました。

 

緊張するのはあたりまえ

半年間一緒に勉強をした学生たちは

がちがちに緊張しているわけです。

しかも、いつもの先生ではなく、

習ったことのない先生だったら、

しかも、その先生が強面だったりしたら、

もう輪をかけて緊張するんです。

こっちはスポーツ選手のコーチの気分で、

肩を叩いて「平常心!平常心!」とか言って

あげたくなります。

で、案の定、緊張しすぎて、いつもはしないような間違いをしたり、

空回りしすぎて、何を言っているのかわからなくなったりする学生が

少なからずいるんです。

 

教師の仕事だから

だから、こんなテストはやめましょう。

と言いたいのではありません。

もちろん、学生たちがどれだけ話せるようになったか、

チェックすることは必要なことです。

どんなところでどんな間違いをしたか、

どんな能力があって、どの部分が欠けてるか。

それは教師のフィードバックにもなりますから。

だから、緊張していようがしていまいが、

話したことを元に評価をします。

つまり、点数をつけるわけです。

それが仕事ですから。

 

評価をする違和感

でも、わたしはこの作業に違和感を感じるのです。いつもいつも。

「こんなことできるわたしじゃない」と。

 

日本語教師としての経験が浅いからとか、

中級を教え慣れていないからとか、

そういうわけじゃないのです。

もし、そうだったら、OPIのテスターになるなり、

自分で何か研修をみつけていくなり、

テストのときは率先してインタビュアーをかってでるなりして、

経験と知識を積んでいけばいいんです。

 

むしろ、この違和感を大事にしたい

そうではなくて、

「話す」「自分の思いを伝える」ということについて

誰が評価なんか下せるねん!

と思うわたしも一方にいるんです。

むしろその思いの方が強い。

 

たとえば、どんなに美しい日本語で、

どんなに完璧な発音で話したって、

相手の心に届かなければ、むなしいだけだし、

どんなつたない言葉だって、

誰かのこころを動かせたなら、

それはかけがえのない言葉だからです。

 

そして、うまく伝えられない自分と向きあい

どうすれば相手に伝わるかという

答えのない永遠の課題とも向き合って行きたい。

わたしは「言葉」という大きな大きなものに対して、

小さい小さい存在です。

そういう強い思いを忘れないでいたいです。

 

そういう意味で、学生の日本語を評価しているからといって、

わたしは評価をしていい人間なのだと思ってはいけない、

ということを肝に銘じておこうと書きました。

 

この記事も読んでくださるみなさんの心に

届くことのほうが稀だと思うけれど、

届いたら幸せだなぁと思います。

 

あなたの言葉に幸せを。

では、また~。

 

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