言葉だけじゃたりない?!

日本語教師わかばの綴る日常のあれこれ。映画や本について書くことが多いです。たまに旅行記やアウトドアも。

映画No73【ムーンライト】ずっと好きだった人、それだけが生きる希望。

映画を映画たらしめる映画でした。

納得のアカデミー作品賞です。

観た後、ぎゅっと心を締め付けられる描き方が素晴らしい。

 

こんばんは。

わかばです。

 

ムーンライト(2016/米)


アカデミー賞作品賞!『ムーンライト』日本版オリジナル予告

監督:バリー・ジェンキンズ

主演:トレヴァンテ・ローズ

あらすじ:

 マイアミの貧困地域で、麻薬を常習している母親ポーラ(ナオミ・ハリス)と暮らす少年シャロン(アレックス・R・ヒバート)。学校ではチビと呼ばれていじめられ、母親からは育児放棄されている彼は、何かと面倒を見てくれる麻薬ディーラーのホアン(マハーシャラ・アリ)とその妻、唯一の友人のケビンだけが心の支えだった。そんな中、シャロンは同性のケビンを好きになる。そのことを誰にも言わなかったが……。

(Yahoo映画より)

 

オススメ度 ★★★★☆(4.3)

以下、ネタバレあります!

 

「自分の道は、自分で選べ」

アメリカ・フロリダ州マイアミの最下層で生きる黒人の話です。

ひとりの黒人の男の子が同級生にいじめられ、

追いかけられているシーンから映画は始まります。

いじめられるのも、いじめているのも黒人です。

この映画に出てくる人はみんな黒人なのです。

そこへ、ひとりの大人が現れます。

麻薬ディーラーのファンです。

ファンというのはスペイン語の名前です。

英語でいうジョン。

そう、ファンは社会主義国キューバから、

海を渡って逃れてきたキューバ移民です。

マイアミにはキューバ移民がたくさんいます。

そのフアンとその妻、テレサは、

いじめられていたシャロンにご飯を

食べさせ、家に泊めてやり、海で泳ぎも教えてやり、

何かと世話をやきます。

そして「自分の道は、自分で選べ」という言葉を残します。

https://iwiz-movies.c.yimg.jp/c/movies/pict/c/p/49/26/358996_001.jpg

母親は麻薬中毒者

なんでかって、母親は麻薬中毒者で、

育児放棄しちゃってるからです。

男を家につれこんで、奥の部屋でラリッています。

シャロンは母親がきらいです。そりゃそうです。

そんなシャロンにフアンは

「俺もむかしは母親がきらいだった。でも、今は恋しいよ」

と言います。

このセリフ、実はあとあとジーンときます。

そしてキーとなるシーン。

フアンが麻薬を売っている時、その場で麻薬を使用している人間を、

止めに入ります(そういうきまり?)

そしたら、それがなんとシャロンの母親で彼女は

「わたしにエラソーな口たたくなよな!

 シャロンをかわりに育ててくれんの?

 買うならよそで買えとかいうわけ?

 わたしは何があってもあんたから買う!」

みたいなことを叫んでいました。

これって、フアンがシャロンの父親ってこと?

 

ずっと好きだった人、ケビン。

映画は三部構成です。

幼年期、青年期、成年期。

幼年期のときから、唯一の友達だったケビン。

シャロンにとってはケビンは大好きな唯一無二の人。

そうシャロンはゲイです。

高校生?になったときに、ケビンに

「ついついいい女とやっちゃってさー」という話を

胸を引き裂かれながら聞き、そのシーンを夢にまでみてしまう。

そして、月夜の晩。波の音しか聞こえない浜辺。

シャロンとケビンはお互いの心に触れます。

そんなケビンは、いじめっこにそそのかされて、

(このいじめっこがまだ最悪)

シャロンいじめに加担し、シャロンを殴ってしまいます。

そこでシャロンの心はポッキリ折れてしまうのです。

 

「俺の心にふれたのはお前だけだ」

キレてしまったシャロンはいじめっこの同級生を

椅子で殴ってしまい、少年院送りとなります…。

そして最後の第3部へ。

シャロンは見違えるようになります。もう別人。

筋骨隆々で、歯にはキラキラの金歯。

シャロンは麻薬ディーラーになっていました。

もう、その姿がフアンそっくりなんです。

そしてマイアミを出て、アトランタにいました。

母親はやっと、改心したようで、

「あんたがわたしを嫌いでも、わたしはあんたを愛しているよ」

と何度も何度も涙ながらに語ります。

あのフアンの言葉と重なります。

そんなとき、ケビンからの電話。

二人はマイアミで再会します。

そして、シャロンはずっと胸に秘めていた想いを、

ケビンに打ち明けます。

https://iwiz-movies.c.yimg.jp/c/movies/pict/c/p/58/77/358996_005.jpg

生きる希望

なんか各セリフが心に残る映画でしたぁ。

といっても日本語で残ってるんですが。

黒人がどうとか、

LGBTがどうとか、

社会がどうとか、

そんなことは単なる背景でしかなくて、

人間て、どんなつらいことがあっても、

誰かから愛され、

愛すべき人がいればなんとかなるものなんだなぁ

とぼんやり考えました。

愛ってもらったからこそ、

与えられる人間になるというか。

「愛」というものの皮をむいて

「はい、どうぞ」ってさしだされているかのような映画でした。

ただ、シャロンという一人の人間が、

だれかを心の底から、

自分のすべてをかけて愛した

美しすぎる半生の物語でした。

 

「愛だろ!愛」というコピーを思い出してしまった。

(年がバレる!!)

では、また~。

 

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