言葉だけじゃたりない?!

日本語教師わかばの綴る日常のあれこれ。映画や本について書くことが多いです。たまに旅行記やアウトドアも。

【闘病記③】病院はコミュニケーションを学ぶのにいい場所

カーテンに閉ざされた狭い空間で

思考をめぐらせていると、

いい考えなんて湧いてこないんですよね。

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こんばんは。

わかばです。

 

入院3日目。

このあたりになると、

立って歩いて、

1階のコンビニに買い物にいけるし、

シャワーも浴びられるようになりました。

だけど、いきなり歩くと

ぜえぜえはあはあなるし、

動いた後は、横になってウトウト……

というような具合でした。

 

また、同室者の言動も気になり始め、

カーテン越しに聞こえる

同室者と医療者の会話なんかも、

ぼんやり聞いていました。

 

何度も同じ話をくり返すおばあちゃんは、

誰がお見舞いに来るっていうわけでもないので、

話をきいてほしのかな~とか思ったり。

でも、それぞれの看護師さんで

対応の仕方って同じようで違うなあ、とか

考えたり。

 

そこで人が心を開くのは、

どんなときなのかな、っていう考えに思い至りました。

 

わたしは妊娠中に入院していたときは、

入院期間が長かったのもあって、

ドクターも助産師のみなさんにも

心を開きまくり、勝手に大好きだったんですが、

今回はなぜか、病気になったショックもあり、

心を閉ざしまくり、

聞かれた質問にしか答えないというありさまでした。

 

別に医療者のみなさんが嫌だったわけではありません。

誠実に優しく仕事をするスバラシイ人たちだな

と思っていました。

 

でも、たとえば、こんなときは「え?」

ってなりました。

 

「痛みどめ、飲みましたか?」と何度も聞かれたんです。

で、飲んでいないので、正直に

「飲んでいません。」と答えるんですが、

そもそも、「はい、これが痛み止めです。10錠ありますからね。」

といって渡されたわけではないんです。

それなのに、「飲みましたか」という質問は

おかしいじゃないですか?

まぁ、わたしもそれを言えばいいんだけど、

なぜか言えずにただ答えるだけ。

多分PCのデータではドクターがオーダーしているから、

看護師さんは持っていると思って

言っているんだろうとは推測できます。

だけど、それって医療チーム側の引継ぎとか

どうなってんの?って疑ってしまいます。

 

それとか、わたしが処方してもらった漢方をみて、

「これ、いいですよね!」という看護師さん。

「いつも飲んでいるんですか?」

とか聞かれたんですが、

「いや、これここで処方してもらったんですけど……」

「え?ここで?」

「はい……(そのPCのデータに入ってないんだろうか……)」

などなど。

 

こういうやりとりが続くと、

なんだかよい感情をいだけなくなり、

そして、カーテンの中で

悶々といていると

負の感情は雪だるま方式に

大きくなっていきました。

 

「また、1か月後には

   あの痛みに苦しめられるんだ……!!

 じゃあ、わたしは何のために、

    ここにいたんだろう……??

 これといった治療もせずに、

    満足に先生や看護師さんと話もできずに……!」

 

 ここが負の感情の沸点でした。

退院の日。

先生は血液検査の結果だけをみて、

診察もせずに、「退院していいよ」と言いました。

 

そこで溜まっていたものが、

堰を切って流れ出しました。

 

「でも、また来月痛くなるんですよね?

 あんなに痛くなったらと思うと、

 仕事もできない……!」

そこまで言うと、涙がボロボロボロボロ

こぼれ出しました。

 

先生はびっくりした様子で、

「そんなに恐怖が強いなら、

 薬使いましょうか。」

とか

「お子さん希望しないなら、

 9月くらいに手術してもいい」

とかいろいろ言われたんだけど、

なんだかもう何を言われても

ひどいことを言われているようにしか感じず、

ただただ、悲しくてずっとメソメソないていました。

カーテンの部屋の中で。

 

そしたら、看護師さんが来てくれて、

じっくり話を聞いてくれたのだけど、

 なんで、こんな気分になったかというと、

 

もっと話をしてほしかったんだと思います。

 

自分がどんな毎日を送っていて、

今の体調がどんなふうで、

わたしが患ったのは、どんな病気で、

どう治療していったらいいか。

今後はどういう生活をしていくのか。

 

 患者としての甘えなのかもしれないけど、

噛んで含めるようにして

話をしてほしかった。

 

これはわたしがやっている

日本語教師やライターの仕事でもいえるけど、

心を開くためには、

絶対的に言葉が必要。

だから、自分も仕事をするときは

言葉をもっと大事にしようと思いました。

 

さりげない会話。

相手の立場に立った説明。

見えないところを察して言葉にする力。

 

病院はコミュニケーションを学ぶには

とてもいい場所でした。

 

 闘病記はいったんここまでです。

では、また~。