日本語教師わかばの教え方がうまくなるブログ

日本語教師わかばのことばにまつわるあれこれ。ライターもやってます。旅行と映画と本が好き。

映画レビュー【ローマ法王になる日まで】いつか苦しみの結び目は解かれる【感想・ネタバレ】

スペイン語に飢えてるのかも。

映画のスペイン語が美しかった。

今日はあるアルゼンチン生まれの

一人の男を描いた映画を紹介します。

 

ローマ法王になる日まで(2015/イタリア)


知られざる激動の半生『ローマ法王になる日まで』予告

監督:ダニエレ・ルケッティ

主演:ロドリゴ・デ・ラ・セルナ

   セルヒオ・エルナンデス

あらすじ:

法王選挙のためにバチカンに赴いたベルゴリオ枢機卿(セルヒオ・エルナンデス)は、自身の軌跡を振り返る。1960年、ブエノスアイレスで暮らす若きベルゴリオ(ロドリゴ・デ・ラ・セルナ)は、神の道を歩むことを決意する。イエズス会に入会した彼は、やがてアルゼンチンの管区長に任命されるが、1976年に軍事独裁政権が樹立され……。

(Yahoo!映画より)

 

以下:ネタバレがあります。

 

みどころ:

 

・初の南米出身のローマ法王の激動の半生とは?

 

・南米の歴史と現在とはどのようなものか?

 

・苦しみや哀しみの中で生きることとは?

スポンサーリンク

 

初の南米出身のローマ法王の激動の半生

ローマ法王とは、

いわばカトリックの一番偉い神父さまです。

どうやったらなれるかというと

まず、枢機卿という法王の補佐をする人になり、

その中から選挙で選ばれたらなれるみたいです。

その選挙のことをコンクラーベといいます。

 

”根比べ”に似てるね!という誰でも思うことを口に出したのは、

小泉元首相であるとかないとか……

 

さて、そのコンクラーベの日、

主人公のベルゴリオがバチカンで自分の半生を振り返る……

というのが映画の始まりです。

https://iwiz-movies.c.yimg.jp/c/movies/pict/c/p/35/cf/356275_004.jpg

 

ベルゴリオはアルゼンチン生まれ。

 

まだ若かった彼は、ガールフレンドもいて、

化学を勉強する大学生でした。

 

しかし、イエズス会に入会し、

神父としての道に進みます。

 

「宣教師として日本へ行くんだ!」というシーンもありますが、

その願いはその時点では叶わなかったようです。

順調にその道を歩み、司祭となります。

 

しかし、アルゼンチンはその頃、軍事独裁政権時代。

密告と粛清の暗黒時代でした。

 

そんな中、

独裁政権側に立つのか?

独裁政権に反対する市民の側に立つのか?

教会の立場は?

と問われ、ベルゴリオは苦悩します。

 

そんな苦悩に追い打ちをかけるように、

独裁政権に反対する仲間たちを、

つぎつぎに失っていきます。

 

ここでは、日本では考えられないような

粛清が行われるシーンがあります。

 

政権に反対した人を誘拐し、

ひとところに集めて殺し、

その遺体を飛行機で海から投げ捨てるのです。

 

母親たちは息子や娘がどこにいったかすら

わからないのです。

 

そういう母親たちは、

子どもの名前を書いた

白いスカーフを頭にかぶり、

無言の抗議をします。

 

https://iwiz-movies.c.yimg.jp/c/movies/pict/c/p/06/3c/356275_008.jpg

 

そういえば、大学のとき

ラテンアメリカ事情の授業でこの映像を

見たような気がしました。

 

アルゼンチンの歴史とともに歩んできた

ベルゴリオの人生を描くことは

アルゼンチンを描くことなのかもしれませんね。

 

そんななか、ベルゴリオはドイツに行きます。

 

ドイツに行っても

哀しみを抱えたまま孤独な生活を送るベルゴリオ。

 

ドイツの教会で南米出身の女性がスペイン語で祈る声を聞き、

思わず話しかけます。

 

そして、今までの胸の内を泣きながら打ち明けるのです。

すると、女性は

 

すべての苦しみや哀しみの結び目はマリアさまが

 といてくださいます

 

と言います。

 

ベルゴリオはこの言葉を糧に、

自分の悲しみを力に変えていきます。

 

アルゼンチンに戻ったベルゴリオは、

精力的に活動します。

貧民街を回り、

そこで働く神父たちを励まし、

問題が起これば、解決に奔走します。

 

そして、ついに

多くの人の支持を得て、

ローマ法王となります。

https://iwiz-movies.c.yimg.jp/c/movies/pict/c/p/bd/6d/356275_006.jpg

 

ローマ法王とは、特別な人ではなく、

あくまで普通の人間なんだなって思いました。

 

哀しみに打ちひしがれても、

誰かの言葉やぬくもりから力を得て、

立ち上がる。

 

そうすることで、

人は、より人らしく成長していける。

 

ベルゴリオの物語は

ただ、ベルゴリオがカトリックの司祭だったという話で、

仏教のお坊さんでも、経営者でも、

苦しみや哀しみを乗り越えるからこそ、

人に愛と勇気を与えられるのだと思いました。

 

あなたも成長しよう。

では、また~、

スポンサーリンク

 

 

関連記事☆こちらもどうぞ

 

wakaba78.hatenablog.com

wakaba78.hatenablog.com

wakaba78.hatenablog.com