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楽しく読める中上級読解教材「THE GREAT JAPANESE」の使い方

ちょっと横になるつもりが

ガッツリ寝てしまい、

午前3時に目が覚めてしまいました。

 

おはようございます。

わかばです。

 

先日のブログでも書いたように

今日は1カ月の短期コースで使っている

中上級の読解教材を紹介したいなと思っています。

The Great Japanese 30の物語 中上級 ―人物で学ぶ日本語

 

コンセプトが新しい

 

既存の中級以上の読解教材は

だいたい、環境、ビジネス、家族、言葉などの

テーマに沿って選ばれた生教材か書下ろしで

構成されたのがほとんどですよね。

でも、それの何がよくないかって

つまらないことなんですよね……。

 

ホント先生が作りましたって感じで、

みんなわかっている正論を堂々と

ぶちまけられてもねって感じです。

 

でも、これはなんといっても人物で学ぶ日本語。

テーマが日本の偉人にぎゅっとしぼられています。

(織田信長とか孫正義とかイチローとか

 石黒浩とか全部で30人)

 

そして、人物を日本語を通して知ることで、

日本語の読む力が伸びていくというしかけ。

今までこういう読解教材はなかったですよね。

そういう意味で唯一無二です。

 

また、本文が書下ろし読解教材なので、

日本語教師的な目で

表現を入れつつ、

自然な文章にできあがっているのも

いいところです。

 

 

アイデア次第で広げて使える

このテキストの一番いい部分はここ。

発展的に広げて使えること。

 

例えば、宮崎駿の課を読んだあとに、

宮崎駿の映画を観るとか、

石ノ森章太郎の課を読んだあとに、

マンガミュージアムに行って、

マンガについて学ぶとか

村上春樹の課を読んだあとに、

村上春樹の作品を読むとか

そういうことができるんですよね。

アイデア次第なんですけどね。

 

わたしはわりと型にはまった授業は

やりたくないって思っているので、

使う教師にそういう工夫の余地を

ぞんぶんに残してくれている

いいテキストだなって思います。

 

語彙表現もぬかりなく

そういうテキストって、

逆に文法とか語彙とかのフォローがあまい

ってことも多いのが悩みのタネ。

 

これはその課にでてきた表現が

別冊でピックアップされています。

全部で252。

 

その表現のチョイスもいいと思います。

たまに中級テキストで

「こんな表現、あえて取り上げなくても

 いいんちゃう?」

と首をかしげてしまうようなものもありますよね。

そういうのが少ないという印象があります。

 

なので、読んだ後にその課に出てきた

表現を使って文を作ったりする

運用練習も十分にできます。

 

直してほしいところは……

 

と、ここまで絶賛してきましたが、

全部で252の表現が課ごとに並んでいないのが、

かなしい。

授業中にあっちいったり

こっちいったりしなくてはいけないのが大変です。

 

それと、これを例えば半年のコースの

メインテキストにするというのは

難しいかなあというのが正直な感想。

 

進学目指してがんばりたいとか

腰をすえてがっつり勉強したいという人には、

不向きです。

やはり偉人で半年はテーマが偏りすぎだし、

飽きてくると思うんですよね。

長くて3か月じゃないでしょうか。

 

あくまで趣味で楽しく勉強する人向き

という気はしています。

気になった方は一度、見てみてくださいね。

 

では、また~。

 

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