言葉だけじゃたりない?!

日本語教師わかばの綴る日常のあれこれ。映画や本について書くことが多いです。たまに旅行記やアウトドアも。

【書評】未来にむかって生きる日本語教師必読!「SNSで外国語をマスターする≪冒険家メソッド≫」

またまた台風が日本を直撃というわけで、

この週末は家に閉じこもって、

積読消化に勤しもうと思っていました。

 

こんばんは。

わかばです。

 

しかし、台風より一歩先に、

こちらの本が届きましたので、

積読そっちのけで、

最優先で読むことにいたしました。

村上先生、ご献本ありがとうございました。

 

もう学校も先生もいらない!?  SNSで外国語をマスターする《冒険家メソッド》

 

それで、たった今読了しましたので、

早速ですが、レビューしたいと思います。

日本語教育関連の本ってなかなか読了できないんですよね。

(なんか途中でつまらなくなって、飽きてしまう……)

だけど、こちらは一気に読了できました!

 

現在、わたしは日本語学校で働いています。

同じ教科書を買わせて、教師として教壇に立ち、

同じ課題を与えて、評価を出します。

そのなかで、学生の成長の様子を見て、

一斉授業はもう限界じゃない?

と感じてきました。

学習者もその目的も実に多様化しているため、

ニーズに合わせた授業ができないからです。

 

この本はその問いに見事に答えてくれています。

そう、一斉授業は限界なのです。

なぜなら、世界はものすごい勢いで変化しているからです。

そして、この本は従来の授業に代わるものとして

冒険家メソッドで勉強してはどうか?

と具体的に提案してくれている本なのです。

 

 もう学校も先生も要らない

冒険家メソッドとは何かというと、

●世界のどこにもないカリキュラムで、

●自分で主体的に学習計画を立てて

●失敗するリスクもとりながら学習する

という外国語学習者(冒険家)とその方法です。

受け身の授業で先生にすべて任せて、

その指示に従う従来の勉強のスタイルではなく、

自分で自分の学びを管理し、言葉の海に漕ぎ出ていくこと。

挑戦には失敗がつきものですよね?だから怖い。

でも勇気をもって一歩踏み出し、たとえ失敗したとしても

それさえ引き受けて、

学びの糧にして行こうという考え方が冒険家メソッドです。

 

インターネットもSNSもなかった時代は、

それができませんでした。

 

小学生の娘はYoutube動画やスマホアプリで勉強していますが、

「パパとママの時代はスマホなかった」というと

「マジ?じゃどうやって勉強してたん?」

と驚いていました。

アラフォーのわたしが10代の頃は

分からない問題があれば、実際に誰かに聞くか、

参考書をみるしかない時代。

だから、先生も教室も必要だったわけです。

 

今は知識を得るならググればいいし、

聴く力を伸ばしたければ、podcastがあるし、

書く力をつけたいなら、lang-8……

これは本書で詳しく書かれていますが、

いろいろな方法がほぼ無料または、

安価で試せる夢のような世界なのです。

 

それを身を持って知るためには日本語教師自身も、

外国語学習者、つまり冒険家であるべきなんだと感じました。

 

本書にはハンガリー語やアラビア語を

実際にSNSを駆使しながら、

習得していった著者の話を織り交ぜながら、

紹介してくれます。

ですから、いったん本を横において、

使ったことなかったlang-8にユーザー登録とか

してしまいました(笑)

 

そういうわけで、ひとつのところで

学習者を集めて、一斉に授業することは、

今の時代にそぐわないということなんですね。

 

冒険家メソッドに必要なのはコミュニティ・コンテンツ・ツール

じゃあ、日本語学校って何のために存在するのか?

労働者のかくれみのとしての日本語学校がなくなったら、

日本語学校は消滅してしまうのか?

その可能性は非常に高い。

だけど、趣味として日本語を学ぶ人が集う

コミュニティとして存在するのではないか?

とわたしは思ってきました。著者も、

一斉授業に残ってくれる学習者は、そこで教わる内容よりも、むしろコミュニティとしての機能を期待して学校に来るのです。

としていますが、そのすぐあとで、

しかし、実はまさにその部分こそがソーシャルメディアの利点なのです。そもそもSNSはそうした社交活動をオンラインでできるようにしたものですし、自分に近い趣味の学習者を探しだすことも簡単にできます。

と言っています。

人は1人で学ぶことはできない

ので、コミュニティが必要です。

でも、それは学校でなくてもいい。

オンライン上にあるということです。

コミュニティの探し方も本書に詳しいです。

というわけで、まず冒険家メソッドに必要なものの

一つ目は「コミュニティ」です。

 

二つ目は「コンテンツ」

つまりは何で学ぶか?ということ。

ネット上には様々なコンテンツで溢れています。

もちろん、本でもOK

わたしが中国語を独習したときはこちらを使いました。

Why?にこたえるはじめての中国語の文法書

Why?にこたえるはじめての中国語の文法書

 

 中国の部屋でひとりこもってコツコツ

読んだり、問題を解いたりしていました。

また中国語で言えば、テレサテンの歌も。

また、最近の英語学習ではこちらを。

wakaba78.hatenablog.com

自分の好きなコンテンツをみつけて、

それに取り組むと、

「あー、もう全然わからへん」から

「え?ちょっとわかる」にかわり、

「リピートできるようになった♪」と、

自分の成長を感じることもできます。

一斉授業だとテストの点でしか

実感できなかったりしますよね。

著者もこのように言っています。

コンテンツは「地図」なのです。外国語学習という長い冒険の旅の中で自分がどんな位置にいるのかを把握することができます。

 

 最後は「ツール」。つまり学習方法です。

 

たとえば、わたしが英語学習のコンテンツに

「天使にラブソングを2」を選んだとしたら、

それを日々の通勤時間で聴けるようにしておくとか、

わからなかった単語をリストにしておけるような、

道具を用意しておくということですね。

多様な背景を持つ冒険家の皆さんが学習効果を最大化するには、正解はありません。1人ひとりに合った環境を整える必要があります。そして、そのためにはコミュニティでいろいろなアイデアを集め少しでも役に立ちそうだと思ったら実際にやってみるという試行錯誤を繰り返しながら、本当に自分に合ったツールや環境を作っていく必要があります

 

自律した学習者を育てるために

 一斉授業に限界を感じる私たちができることは、

冒険家メソッドのエッセンスを取り入れつつ

できる範囲で、一斉授業から、

より自律的な学習へと軸足を移すことです。

 

 

 ただ、多くの先生が教育機関に所属し、

そこの方針にしたがって授業をしているでしょうから、

あまり大きく動けないはずです。

 

でも、ここでは、SNSを使ってこんな授業ができますよ

という具体的な提案もされているので、

今学期からでも実践できそうです。

わたしはしてみるつもりです。

 

日本語教育にかぎらず教育界というのは、変化しないことによって学習者に甚大な被害を与えることには信じられないほど寛容な世界(後略)

 

そんな世界を変えるのは、

誰かの小さい一歩だし、

その一歩踏み出す勇気こそが、

今一番必要とされているのだと感じます。

 

今と未来を生きる日本語教師は必読の書です!

もう学校も先生もいらない!?  SNSで外国語をマスターする《冒険家メソッド》

もう学校も先生もいらない!? SNSで外国語をマスターする《冒険家メソッド》

 

村上先生のブログはこちら↓

この本の本体価格の5%をNPO法人に寄付するのだとか。

すばらしいですね。


mongolia.seesaa.net

みなさんも冒険家に。

では、また~

 

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