大学のとき、写真部に所属していました。
当時、デジカメとかはなかったので、
ネガフィルムをマニュアルカメラにつめ、
あらゆるものを撮り、そしてフィルム現像をし、
暗室でプリントしていました。
現像液に印画紙を浸した時に、画像が浮かび上がるときは、
なんともいえない高揚感があります。
そんな元写真部がスマホ最近撮った写真・・・。
なんのために撮ったのか・・・。
こんばんは。
わかばです。
キャロル(2015/米)
今日は現在公開中の映画「キャロル」を紹介したいと思います。
監督:トッド・ヘインズ
主演:ケイト・ブランシェット
あらすじ:
1952年のニューヨーク。デパートでアルバイトをするテレーズ(ルーニー・マーラ)は、娘へのプレゼントを探すキャロル(ケイト・ブランシェット)に応対する。優雅で気品に満ちた美しさを誇るも、謎めいたムードもある彼女に魅了されたテレーズ。彼女にクリスマスカードを送ったのを契機に、二人は会っては話をする仲になる。娘の親権をめぐって離婚訴訟中の夫と争うキャロルと恋人からの求婚に思い悩むテレーズ。そんな中、彼女たちは旅行に出掛けるが……。
(Yahoo!映画より)
キャロルとテレーズ
自分の人生を生きていないという点で
キャロルとテレーズは共通しています。
自分の人生を生きていないというのは、
自分の人生を自分で選び取っていないということ。
夫や恋人に自分の人生を不本意ながらゆだねていました。
だから、なんとなくいつも機嫌が悪い二人。
そんな二人が運命のように出会います。
そして、お互いの中に自分を発見してしまいます。
出会いは人を変える
二人の距離は会うたびに縮まっていきます。
そして、曇りがちだった二人の表情は、
いきいきと変わり始めます。
テレーザは写真家になりたいという夢がありました。
でも、チャンスがあるにもかかわらず、
その夢に対して真剣になれていませんでした。
けれど、キャロルに会ってから、
テレーザは写真を撮り始めます。
自分の人生に向かいあい始めます。
ロードムービー?
娘を夫に奪われたキャロルとテレーザは旅に出ます。
「え?ロードムービー?」
って思いましたが、全然ロードムービー的な感じではないのです。
たしかに「シカゴまで〇〇㎞、「ここはオハイオ」といった
会話とかも出てくるのですが、それよりも車のなかや、
ホテルの部屋で二人っきりの二人の様子を軸に、
映画が進むのです。
二人の成長
結局、その旅の終わりが、
しばらくの二人の関係の終わりになりました。
しかし、私はその後の二人の生き様が良かったなぁと思います。
キャロルは、離婚調停で、弁護士任せにしないで、
自分で自分の言葉で「娘の面会権を求める」と語ります。
その時のキャロルは、がたがた震えながら、言葉に詰まりながら、
それでも、自分の気持ちを述べます。わたしはこのシーンが好きです。
テレーザも新聞社で働き始め、写真を撮ることを生活の中心に据えます。
関係を終わらせることで、自らの人生を生きはじめる二人。
厳しい冬を耐えて、咲いた花のようでした。
ラスト
予告編に「このラストにカンヌは熱狂」とあるのですが、
熱狂するラストかなぁ?って思いましたけど・・・。
もう少し劇的なラストを期待していましたが、
そうでもなかったです。劇場では「・・・え?もう終わり?」
って思っちゃいましたけど、
今思えばいい終わりだったかなと思います。
誰かの出会いによって人生が変わるって
誰の人生にも起こることですね。
その変わっていく人間の美しい一瞬を
描いた素敵な映画でした。
人生に出会いを。
では、また~。