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映画レビュー【母なる証明】母であることの業(ごう)とは

コロナが来てから、

めっきりオンラインプライベートレッスンの人

と化しています。

 

こんばんは。

わかばです。

 

今日はプライベートレッスンで教えている

韓国の学生さんお勧めの映画を見たので、

みなさんに紹介しようと思います。

 

その学生さんは、パラサイトの話をした時に、

「わたしはポン・ジュノ監督作品は全て見ましたが、

 母なる証明が一番好きです」

と教えてくれました。

というわけで、見てみました。

 

母なる証明(2009/韓国)

www.youtube.com

 

母なる証明(字幕版)

「母なる証明」とは?

「パラサイト」で一世を風靡したポン・ジュノ監督による

2009年制作の映画です。

 今はアマゾン・プライムビデオで見られます。

主役は韓国では有名は女優さんであるキム・ヘジャ。

(すみません。わたしは知りませんでした)

もう1人の主役で、

キム・ヘジャさんの息子役を演じるのはなんと

ウォンビン。

韓国四天王の1人です。他の3人は誰だろう?

ウォンビンといえば、わたしは昔、劇場で、

ブラザーフッドを観ました。よかったです。

しかも、彼は兵役帰りで5年ぶりの

映画復帰がこの作品だったそうです。

男前を活かした役じゃありませんでしたが、

それでも、映画のキャラになりきっていて、

ヒヤヒヤさせる演技がとても印象に残っています。

母なる証明(字幕版)

母なる証明(字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

あらすじ

ある日、静かな村で女子高生殺害事件が起こります。

その容疑者として、逮捕されたのはトジュン。

主人公の息子です。

 

主人公と息子は二人暮らし。 

息子は少し知的障害がある?感じで、

母親は必要以上に彼の世話を焼いています。

 

自分の息子が犯人だと信じられない主人公は

「虫も殺せない子なのよ」と言って、

なんとか息子の無罪を証明しようとします。

あらゆる手を使い、なりふり構わずです。

観客はその執念を目の当たりにして、

いろいろなことを感じるはずです。

 

後半になるにつれ、真実に近づいて行く主人公。

最後には驚きのラストが待っています。

 

感想

面白かったのは、家族が主人公と息子だけで、

韓国の小さな田舎町に住んでいるという情報しか

語られません。

 

息子の父親が誰なのか?とか

主人公の過去なんかも。

 

それなのに、主人公が感情的に

ある重大なことを起こすシーンがあるのですが、

その時にこういう一言を言うのです。

 

「ああ、どうしよう、大変なことをやっちゃった。どうしよう。お母さん」

 

これは映画の終盤でのセリフなのですが、

主人公からもれでたこの言葉は、

母から子へ、その子が母になり、またその子へ

受け継がれる何かがあると感じさせられます。

 

今まで映画で語られなかった、主人公の母親が、

ここでチラッとかいまみえます。

それが、一般的な母ではなく、

やはり子への執着に満ちた母親なのでは?

思わされるのです。

 

母は、自分の子への愛情が良いものだと

無意識に確信しているところがありますが、

そんなもの、子にとっては息苦しいだけです。

 

子に執着する母と、

母から逃げたいと思いながらも、

母から逃げることのできない子。

 

その関係が時々悲劇をうむように思います。

それをうまく描いた映画でした。

 

ポン・ジュノ監督作品は

エンタメ的にもすごく面白く、

画面から目が離せない状態にしておき、

その終わったあとで、

「あなた、どう思う」

ってすごく投げかけてくるように思います。

変なメッセージ性がなく感じるところが

すごく好きです。

 

皆さんも一度見てみてください。

 

では、また!

 

www.wakaba-nihongo-writer.net

 

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