春休み中に見たかった映画3本のうち
2本目の「ROMA」を見てきました。
ROMA観てきた…… pic.twitter.com/lT4Xqj2d88
— わかば@日本語教師とライター (@saeriwakabaya78) 2019年3月31日
こんばんは
わかばです
アカデミー賞外国語映画賞を受賞した本作は
Netflixで配信中ですが、一部の劇場でも公開されています。
わたしはNetflixはやってないので、
京都出町座まで行ってきました。
どんな映画?
監督はアルフォンソ・キュアロンです。
メキシコ出身の映画監督で、
「ゼロ・グラビティ」や「トゥモロー・ワールド」
を撮った監督です。
2002年に「天国の口、終わりの楽園」を撮っています。
これ、わたしの大のお気に入りなのです。
でも、日本語の予告編ないですね……
Y Tu Mama Tambien Trailer English
主演はヤリッツア・アパリシオという
メキシコ先住民の女性です。
どんな話?
ROMAというのはメキシコシティにある地区のひとつです。
1970年代、ROMA地区に住む中流家庭に
住み込みのお手伝いさんとして働くクレオを中心に
家族の中で起こる出来事が描かれていきます。
1970年代初頭のメキシコは政治的にも不安定で、
映画の中でも暴動が起こります。
また、白人は金持ちだけど、
先住民は貧しい暮らしを強いられ、
特に、先住民の女性は白人家庭でお手伝いさんとして、
働くことが多く、差別される存在です。
クレオの働く家庭は他所から見れば
いい家庭だけど、旦那は浮気をしてて、
それに気づいている奥さんはイライラして、
クレオに八つ当たりする始末。
子供達もスポイルされててわがまま放題。
クレオはそんな家庭で文句も言わず働いていますが…
というのがこの映画のあらすじ。
予告編はこちら
『ROMA/ローマ』ティーザー予告編 - Netflix [HD]
映画の感想
モノクロ映画です。
なんだか昔のメキシコ感出ています。
これってアルフォンソ・キュアロン監督の、
幼い頃の体験がベースになってるみたいなんです。
時代も1970年代だしね。
それで、母親がわりに愛情注いでくれた
先住民のお手伝いさんや、
夫に愛されなくなっても、
「冒険なのよ」と言いながら、
子供を育てていくお母さんは、
すごく強くて美しいと思うんです。
逆に、映画の中の男はサイテーなんですよ。
家庭を顧みないわ、
孕ますだけ孕ましといて、
「知らんし、俺の子ちゃうし」とか言って責任ある逃れもする。
そのくせ態度だけはいっちょまえでサイテーなんです。
メキシコ(およびラテンアメリカ)には
マチスモという男性優位主義があるんですよね。
そんなわけで、子供の立場から見ると、
「お母さんー!僕お母さん大好き!愛してる」
ってなるんですよ。
そして、その思いを50になっても60になっても
持ち続けているんです。
それって全世界の男性共通だと思うんですが、
メキシコはそれが強いというか……
そして、苦しい中で僕を育ててくれたお母さんを
賛美すればするほど、女性は苦しみに堪えるもの。
という先入観が刷り込まれませんかね?
それってどうなんですかね?
皆さんのお知り合いで妻に運転させない夫っていませんか?
女性の移動の自由を奪うことで、女性が自分のものに
なっていると勘違いしている人いませんか?
この映画でも空を飛ぶ飛行機がなんどもなんども
映し出されるんですが、先住民の女性は(そうでなくても)
メキシコを出ることすらできないのです。
奥さんが、夫が出て行った後で、でかい車を運転できず、
そこらじゅうぶつけまくるのですが、
これも、夫に移動の自由を与えられていないのです。
そして子供を作りすぎることもまた(劇中の家庭は4人)、
女性の移動の自由を奪っていると思うのでした。
と、こういったことを実は卒業論文に書いていまして、
いささか熱く書きすぎました。
卒論テーマは「ロサリオ・カステジャーノスの作品を通してみる
メキシコの社会と女性」です。まだ実家にあるかな?
では、また〜。
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