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書評【考える教室】日本語のクラスで使いたい哲学的な問い

哲学は今、私がじっくりと取り組みたいのだけど、

なかなかそんなまとまった時間が取れません。

 

こんばんは。

わかばです。

 

今日はこちらの本を紹介します。

考える教室 大人のための哲学入門 (NHK出版 学びのきほん)

考える教室 大人のための哲学入門 (NHK出版 学びのきほん)

 

 先日、こちらの本を読んでレビューを書きました。

つまずきやすい日本語 (NHK出版 学びのきほん)

つまずきやすい日本語 (NHK出版 学びのきほん)

 

 

www.wakaba-nihongo-writer.net

 

どんな本?

若松英輔さんという批評家であり、随筆家である方が

哲学の入り口に立っている大人のために書かれた本です。

以下の4冊の本から、哲学とは?生きるとは?を、

わかりやすく問いかけてくれています。

 

プラトン「ソクラテスの弁明」

デカルト「方法序説」

ハンナ・アレント「人間の条件」

吉本隆明「共同幻想論」を取り上げ、

 

 本当に読みやすくわかりやすいので、

哲学に興味があるけれど、

時間はない…という方に本当にオススメです。

 

日本語教育によせて

日本語教育によせて考えると、

教材としてかなり使えるのではないかなと思います。

定価も670円とかなりおトク!

(日本語教育のテキストは異様に高いですからね。どれも)

そして、知的好奇心をビジバシ刺激してくれますね。

 

もちろん「いやあ、でも哲学はないでしょう…」

と思う方もいらっしゃると思います。

だけど、この先、単に語彙や文法を学ぶことって、

みんなで集まらなくてもいいでしょ?ってことに

なってくると思うんですよね。

 

じゃ、その時、人間は何をするかというと、

「哲学」しか残されていないように思うのです。

 

日本語を英語にただ置き換えるなら機械ができる。

誰かと会話練習したいならオンラインがある。

 

でも、人生に迷った時、悩んだ時、

生きる実感が欲しい時、

誰かの言葉を直に聞きたいと思うだろうし、

自分の考えを直に誰かに聞いて欲しくなるのではないかと思っています。

そんな時にぴったりなテキストだと思うんです。

 

人間が学ぶ意味

 

生きていれば必ず壁にぶつかる時がきます。

試験、仕事、子育て…

人の一生は苦難の連続です。

 

そんな時、自分ではない、誰かの責任にすることもできます。

時代のせいにすることだって可能です。

 

だけど、それではよく生きたことにはなりませんよね。

よく生きるということは、苦難を乗り越えながら、

日々自分を変えていくことです。

 

そして、新しい自分になるためには学びが必要です。

それも、ただ誰かの言葉を鵜呑みのするのではなく、

自分で問いをたて、自分で考える学び。

 

この本にはソクラテスについて以下のような記述があります。

彼は金銭の代わりに自分の知り得たことを高いところから語る、ということをしません。彼が求めたのは「対話」です。そして、試みたのは「教える」ことではなく、「問いを深める」ことだったのです。

(P12)

ソクラテスの周りには、たくさんの学びたい人で

溢れかえっていたと聞きます。

その学びを求める人同士が対話し、

問いを深めていたことでしょう。

 

わたしは、この先の日本語教育、言語教育のあり方が、

そんな風に変わっていくことを願っています。

 

今日は何だかまとまりがありませんね。

まあ、いっか。

こんな日があっても。

 

では、また〜

 

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