シルバーウィーク?真っ最中ですね。
観たい映画、読みたい本、
ひとつずつ叶えています。
こんばんは。
わかばです。
ラスト・タンゴ(2015/アルゼンチン・ドイツ合作)
スペイン語の映画はだいたい見るようにしています。
でも、観にくる人少ないだろうなぁと考えていたら、
予想以上に席が埋まっていてビックリ。
そしてほとんどが団塊世代くらいの方々。
実は、この映画で描かれているタンゴ・ダンサーは、
日本公演もしたことがあるらしいので、
往年のタンゴファン、待望の映画なんだなと
思いつつ、鑑賞いたしました。
監督総指揮:ヴィム・ベンダース
監督:ヘルマン・クラン
キャスト:マリア・ニエベス
ホァン・カルロス・コペス
あらすじ:
アルゼンチンタンゴの代名詞的存在として知られるマリア・ニエベスとフアン・カルロス・コペスは、お互いまだ10代のころに出会った。ほぼ半世紀にわたりダンスペアを組んで苦楽を共にしてきた二人だが、長い時間の中で愛し合うこともあれば、憎み合うこともあった。そんな彼らの長年の歴史を、証言をベースにしたタンゴダンスなどを通じてひもとく。
※以下、感想、ネタバレを含みます!
マリア・ニエベス最高!
恥ずかしながら、わたしは今まで
マリア・ニエベスの存在を知りませんでした。
スペイン語学科卒なのに・・・すみません!
でも、この人、むちゃくちゃ素敵です!
現在80歳で、もちろんドキュメンタリー映画なので、
彼女が話をしている場面が多いのですが、
その話をしている姿が実にチャーミング、
わたしでも分かるようなゆっくりとしたスペイン語で、
ときおり、ユーモアを挟みつつ、
いやな質問された時には、我慢せずにキレる。
最高のアーティストです!
映画の作り方も最高!
ドキュメンタリー映画って、関係者が語る場面と、
訴えたい映像だけが交互に繰り返させることが多いです。
だから、取り上げるテーマ次第みたいなところが
あるように感じるんですが、
これは、全く新しい!
まず、ホァンとマリアが過去について
語る場面はもちろん、はいります。
だけど、それとともに回想シーンも入ります。
この回想シーンはタンゴのミュージカル仕立てです。
その回想シーンは現代の気鋭のタンゴ・ダンサーが務めているんです。
でも、語りと回想シーンが急に入れ替わるのではなくて、
そのふたつをつなぐかのように、
ペアのありかたについて語る現在のシーンが挿入されるんです。
語りと回想と現実の3つが交錯しながら、ストーリーが続いていくので、
全然、飽きないのです。
マリアの言葉が最高!
「マリアは一生で本気で愛する男は一人だけだ」
マリアの言葉です。
もちろん、ホァンのことです。
マリアはホァンが愛しすぎていて、
それをうざく思ったホァンが他の女を連れて
アメリカに公演ツアーに行ったりするもんですから、
マリアは嫉妬の嵐です。
そうではないと言っていますが、
どう考えてもそうでしょう。
その間、恋人作ったりしますが、
ペアは解消しませんでした。愛ですね。
でも、ホァンは別の女性と結婚して子供まで作ります。
家庭と仕事を割り切るんですね。
でも、マリアはそれができませんでした。
「マリアには子供ができないから、ほかの女性と結婚した」
と噂になりますが、
「わたしはこどもができないわけでない。それだけは言える。
でも、これ以上のことを話すつもりはない。これ以上、聞くなら帰れ!」
といってブチ切れます。
もう、察しがつきますよね・・・。
マリア・・・。
愛を憎しみをタンゴに昇華されていったマリア。
それは、マリアにしか踊れないタンゴでした。
苦しみの果てに、アーティストとしての成長がある
このマリアの言葉に、身震いする思いでした。
では、また~。
音楽はタンゴを。
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