日本語の授業でも、たとえば「マンガは好きですか?」
と聞くと、「興味ありません」という人がいますが、
それは、とてもとてももったいないことだと思います。
こんばんは。
わかばです。
なぜならば、わたしの友人に歌舞伎の通がいまして、
彼女の影響をもろに受けて、
わたしは歌舞伎をみるようになったんです。
もし彼女と出会わなかったら、
わたしは歌舞伎を観ることはなかったと断言できます。
歌舞伎について語るとき、すごくイキイキしてたので、
(いつもイキイキしてはりますが!)
「へえ、おもしろそうだな~」と素直に思って、
「わたしも観てみたいです」と言うと、翌日歌舞伎の本を
5冊くらい貸してくれました。
そのほとんどをまともに読んではいませんが(笑)
そのうち、一緒に歌舞伎を観るようになり、
いろいろとレクチャーを受けております。
だから、「興味ない」だけで拒否することをせず
誰かがおもしろそうに取り組んでいることは、
取り組んでみることをオススメします!
って前置きがめっちゃ長くなってしまいましたが(汗)
いってまいりました!
中村屋兄弟、錦秋特別公演2016
平日なのに1階席はほぼ満席。
半分以上は埋まっていました。
いや、ほんとすごいですね!
ロームシアターメインホールって初めてだったんですが、
(京都会館時代に奥田民生のライブできたことがあります)
こんな感じです。
わたしは11:30~13:45までの昼の部でした。
2階席の3列目から眺めておりましたが、
遠かったので、オペラグラスを持ってこなかったことを
後悔しました。やっぱ表情までは見えないので。
歌舞伎塾
まず、最初に1時間くらいは歌舞伎塾と言って、
歌舞伎が初めての人にもわかるように歌舞伎のイロハを、
紹介してくださるコーナーがありました。
「立役と女形のできるまで」ということで
普通の私服でステージに出てきた役者さんが、
化粧をし、着付けをする過程をすべてステージ上で
披露されました。勘九郎さんに
「お前、昨日もその服だったじゃんか」とか
言われたはりました(笑)
立役の方は化粧をする前に、
電気カミソリで髭そりをされていました(笑)
でも髭が濃いと化粧の下から浮いてくるから大変だそうです。
とまぁこのように和やかな進行のもとで、
太鼓でなんの音を表しているのかのクイズがあったり、
実際に鳴り物を吹いてみようというコーナーがあって、
客席から吹いてみたい人を募集して吹かせる
というコーナーもありました。
正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)
ステージ上では
立役、中村いてうさんが正札附根元草摺の曽我五郎時致に
女形、中村鶴松さんが小林妹舞鶴に見事に大変身。
10分ほどの正札附根元草摺のご披露となりました。
曽我五郎時致は兄である十郎が和田義盛の酒宴の場で口論となっているということを聞きつけ、鎧を小脇に抱えて駆けつけようとします。それを小林妹舞鶴が「未だ時期尚早だ」と止めようとして鎧の草摺をつかみ二人で引き合いになるという物語です。
(パンフレットより)
曽我物語からの演目を「曽我もの」というらしいです。
これは、舞踊劇でセリフとかは一切なく 、
うしろの長唄の歌詞でいろいろとうたわれているのですが、
ほぼ外国語なので聞き取れません・・・。
でも、血気に逸る時致を「まぁまぁ」とおさえている
舞鶴がたおやかで心の広い女性という感じがしました。
汐汲(しおくみ)
20分の幕間のあとは(今日はお弁当はナシ)
七之助さんの舞踊劇「汐汲」です。
平安時代、須磨明石に流されていた在原行平。(中略)行平がこの地で松風・村雨という姉妹の海女と恋におちたという物語が生まれました。子の海女が行平との恋に破れ亡霊となって秋の月夜に現れて汐を汲むという様を取り入れたのが能「松風」であり、後に本作品を含めた「松風物」というジャンルができました。海女でありながら、美しい振り袖姿であるのは、後に都に変える行平が形見として残していった烏帽子と狩衣を身にまとい愛しい行平をしのぶ上品な姿を描いているからであり、またこの姿は当時の歌舞伎に求められていた美しさへの憧憬のあらわれともいえます。
(パンフレットより)
いやぁ、七之助さんも美しい!
この演目25分くらいあったのですが、
25分踊り続けるってそれもすごい!
しかも、観客を飽きさせないように、
汐汲み桶を持ったり下ろしたり、
烏帽子をかぶったり、脱いだり、
傘を使ったりと・・・たった一人で
大勢の観客を虜にしているのは、
芝居に今までの人生をかけてきた七之助さんの
生き方そのものなんじゃないかな~と想いながら観ていました。
女伊達(おんなだて)
最後は勘九郎さんの女伊達です。
勘九郎さんも女形にこしらえて、颯爽と登場です!
「いよーっ!中村屋!」
ここは、 夕暮れ時のにぎわいに満ちた江戸新吉原仲之町。現れた木崎のお仲はからんできた二人の男伊達を相手にケンカの真っ最中。美しいその姿からは想像もできない腕っ節の強さ。そんな彼女にも心に思う相手がいる様子。女らしさを垣間見せ男伊達を相手に恋心を語り出す。二人を追っ払ったお仲は、江戸で噂の男伊達「助六」の姿を踊って見せる。お仲の姿は、活気に溢れる華やかな吉原の町の賑やかさにさらなる花を添えるのであった。
(パンフレット)
さっきの汐汲みからは打って変わって
元気な女子の登場!みたいな感じでした。
いつもだけど、予習不足でパンフレットも最後に買ったので、
この時点ではあらすじをほとんどわかったいませんでした(てへ)。
舞踊劇って今まで、セリフもないし分かりにくいし
苦手だったんですが、今回、なんとなくですが、
舞踊劇の醍醐味が分かった気がしました。
それは、自分の中で想像するってこと。
ただ、目と耳からはいってきたものをもとに
いろいろ想像しながら楽しむってこと。
わからないなら、わからないなりに楽しめるし、
楽しめたら、次はもっと楽しくなるなーと思いながら
劇場をあとにしたのでした。
芸術の秋に歌舞伎を。
では、また~。
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