日本語教師わかばの教え方がうまくなるブログ

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映画No67【すれ違いのダイアリーズ】教師もいろいろ。みんな違ってみんないい。

タイは大好きな国で、今までに3回行きました。

あのタイ語の優しい響きを聞いているだけで、

癒されるんですよね~。

 

こんばんは。

わかばです。

 

すれ違いのダイアリーズ(2015/タイ)


『すれ違いのダイアリーズ』予告編

監督:ニティワット・タラトーン

主演:スクリット・ウィセットケーオ

   チャーマーン・ブンヤサック

あらすじ:

ソーン(スクリット・ウィセートケーオ)は電気も水道も通っておらず、携帯電話も圏外になるような奥地の水上学校に新任教師として赴任する。元気いっぱいの子供たちに振り回されながらも多忙な日々を送っていた彼はある日、一冊のノートを発見する。それは前任教師エーンが自身の心の内をつづった日記帳で……。

 

というわけで、今日はタイ映画です!

タイ映画って初めてです。

 なぜこの映画を観ようと思ったかというと、

いつも呼んでいる映画ブログで激賞されていたので、

なかなか京都に来なかったのですが、

先日やっとこさ、観に行ってきました。

 

以下、あらすじ、ちょっとネタバレあります!

http://img.eiga.k-img.com/images/movie/81163/gallery/ca_s_the-teachers-diary_01_large.jpg?1412845116

 

 「君の名は」にかぶる冒頭シーン

元レスリング選手のイケメンのソーン先生と、

タトゥーを入れたがために本校にいられなくなった

水川あさみ似のエーン先生がタイ北部の

携帯もつながらない田舎の水上学校に

赴任するところから映画がスタート。

冒頭しばらく、ソーン先生のシーンと

エーン先生のシーンが交互に入れ替わるため

 時間軸が見えないので、

「君の名は」っぽいなぁと思いながら観てました。

 

キーはエーン先生の日記帳

実はエーン先生の後任として、

赴任したソーン先生なのだけど、

このソーン先生、元レスリング選手だけあって、

脳みそ筋肉で、勉強もあまり得意でない上に、

子供の扱いもヘタクソで、ソッコー落ち込む。

そこで前任のエーン先生の日記を発見する。

同じように孤独を感じ、失恋を乗り越え、

教育に悪戦苦闘する様子を日記で感じとり、

ソーン先生は会ったこともないエーン先生に恋をする。

 

恋愛を彩る価値観や生き方

とまぁ、ここまでならフツーの恋愛映画。

この映画の素晴らしいところは、

恋愛を軸にタイの農村と都会との格差の問題に

光を当てていること。

また、結婚とは何かという問題にも

一石を投じていたのもいいなぁと思いました。

 

湖のほとりで暮らしている人々漁をして生きている。

優秀な教師エーンは生徒たちが医者やエンジニアに

なることこそ、生徒たちの幸せになると信じていて、

「漁師になるから勉強は必要ない」という生徒や生徒の両親の

考えが理解できない。

その一方で、ソーン先生は

「働き手を取られたくない」という生徒の父親のために、

自分が週末、漁を手伝う。

そうすれば、生徒は学校に来るようになったという

エピソードがあって、映画の中でも好きな部分。

 

先生もみんな違って、みんないい。

エーン先生のように頭もよく、

言うことも正しい優秀な先生も、もちろん必要。

だけど、みんながみんな、

そんな先生である必要はないんですよね。

先生だって、いろいろ。

みんな違って、みんないいなんですよね。

ソーン先生は、任期終了後、自分の至らなさに気がついて、

もう一度、大学に戻って勉強し直します。

 

http://img.eiga.k-img.com/images/movie/81163/gallery/sub3_large.jpg?1458291777

 

今度はエーン先生が学校に戻って、

水につかり、ところどころ火に焼かれた

自分の日記帳と対面する。

そこにはソーン先生の言葉が書き込まれ、

いつの間にか、エーン先生も

ソーン先生に会いたい気持ちが募ります。

 

価値観が同じじゃないと一緒に暮らせない

エーン先生とソーン先生の共通点は、

「ちゃんと子供と向き合う教育」

チェンマイの都会の学校の様子も映し出されますが、

そこでは、エーン先生は上手くやっていけませんでした。

規則や人数の多さが壁となります。

都会バンザイ、効率命!の教師の婚約者は

エーン先生を愛してくれますが、

やはり、それだけじゃダメなんですよね。

「価値観が同じじゃない人とは暮らしていけない」

と言い放ち、エーン先生は水上分校に戻ります。

 

恋愛だけじゃなく、

都会と田舎の格差、

結婚と生き方、

勉強するとはどういうことか、

子どもはどんな存在か、

といった細部がていねいに描かれていて、

恋愛映画としてよりも、社会派映画としても

十分に見ごたえのある作品です!

 

特に、教える仕事をされている方に

超オススメの映画です。

 

ひとつ言うなら、タイの自然をもうちょっと

映像で堪能したかったな、というのはあります。

いやいや、映像きれいなんですけどね。

 

タイ行きタイ!!

では、また~。

 

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