日本語教師わかばの教え方がうまくなるブログ

日本語教師わかばのことばにまつわるあれこれ。ライターもやってます。旅行と映画と本が好き。

授業は準備したとおりに進まない!でもそれがいいと思った話す授業!

午前3時に目が覚め、

台風がまさに通過しようとしてるかのような

おそろしい音を耳にしながら、

その30秒後には再び眠りについていました。

 

こんばんは。

わかばです。

 

今は1カ月の短期プログラムの真っ最中です。

わたしは中上級のクラスを担当しています。

今回使っている教科書は初めて使った教科書なんですが、

わりといいので、そのテキストについては、

また別の記事で書くことにして……

 

ある日の話す授業

今日は別の話す授業の話です。

話す授業といってもフリートークではないので、

あるテーマについて、クラスの共通認識を同じにして、

その中からふつふつとわいてくる考えを

ある程度まとめてもらい、

日本語にして口にだしてもらわなければなりません。

もちろんそこで終わりじゃなくて、

クラスメートの考えを聞き、

自分の意見が変容していくのに気がつき、

その気持ちも発信してもらうまでが今日の授業です。

 

10年後の仕事図鑑を読む

まずはこちらの本のP26-P29を読んでもらいました。

10年後の仕事図鑑

この本はまたそれもまとめて記事にしようと思いますが、

「まぁざっくりこんな未来が来そうだから、

 みんなはこういう生き方をしたほうがいいよ。

   知らんけど」

という内容。

途中に具体的にこれからなくなっていく仕事や、

生まれてくるだろう仕事何かが具体的に書いてあり、

普通に読んでも面白いです。

 

前述の4ページをもちろんルビなし、

語彙リストなしで読みます。

堀江貴文氏の本は、本当にわかりやすい日本語で書いてあるので、

中級くらいだと本当にすらすら読めます!

 

さぁ!話そう!

読むのに30分くらいかな?かけます。

わたしの場合は〇読みで音読してもらいながら、

解説を加えるというスタイル。

それで残りの60分で話します。

まずはテーマを提示。

「今後10年でなくなる仕事は何?どうしてそう思う?」

「今後10年でうまれる仕事は何?どうしてそう思う?」

と染み込むようにゆっくり言い、板書しておきます。

 

それから10分小グループで話をしてもらいます。

その時、教師はどんな話がでているかを聞きながら、

全体でまとめるときのイメージを作っておきます。

10分経たないうちに、話すことがなくなっていたら、

ちょっとそれはテーマ選択がよくなかったってことかな?

テーマ選択がいい場合はたいがい盛り上がっています。

 

みんなの前で意見をいうことが成長につながる

小グループでは盛り上がっていても、

さぁ全体(13人くらい)で話して、となると

急に静かになるのがおきまりですね。

そこで、わたしは、

「ほらほら、さっきの話をしてよ」という感じで促します。

理想を言うと、それにクラスメートが、

のっかってきてくれるのがいいのですが、

そんなにうまくはいきません。

外国語を使って意見をいうということは

ハードルの高いことなのです。

それで、順番に話を聞くというふうになってしまうのですが、

テーマ性がよいと反論したり、賛同したり、

ということが起きてくるわけです。

そして、話し合うことにより、

自分の意見も少しずつ変わっていくのにきづく。

小さな成長です。

授業はナマモノ!予想を大きく裏切ってくる

そんな中で

「翻訳機ができるから翻訳家はなくなると思う」

と言った学生がいました。

そこで私がピンときて

「じゃあ、完璧な翻訳機があっても外国語を勉強する?」

と投げかけてみました。

みなさん「どうかなあ」という顔。

以下のようなやりとりが交わされました。

 

Aさん「機械にむかって話すなんて……味気ないですよ」

Bさん「うーん、今から10年は勉強する価値があると思います。

でも、その先の10年は価値がないから、わたしは10年限定です」

Cさん「わたしは勉強したいって思うけど、

もしかしたら翻訳機使わずに会話してるの

ダサイっていう感覚になってるかもしれない」

 

なるほどー。

若くなるほど、勉強いらないって意見でした。

そしてそんなに若くない方々はその意見を聞いて、

 

「そうなのか~でも空しくない?機械経由でしか話せないのは」

「機械経由で話す人と、自力で外国語を獲得した人、

 人材としてはどちらか重宝されるかな?」

といったお題も飛び出して、学生だけで話していました。

こういう雰囲気になると、よかったなって思います。

 

授業はいつも自分の予想のななめ上を行くから

おもしろいです。

そして、ななめ上を行けるような

余白を残しておくのが大事だと思います。

 

では、また~。

 

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