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書評【天皇論】令和元年にもう一度読みたい漫画

平成から令和になりました。

令和初の記事です。

 

こんばんは。

わかばです。

 

平成から令和への瞬間は、

家族で特番を見ながらご飯を食べて

ゆっくりと過ごしました。

貧乏性なので、休むと不安になる性質なのですが、

一生に何度あるかわからないお代替わりなので、

ゆっくり休ませてもらっています。

 

さて、お代替わりというわけで、

私の心の中で、

「皇室とは?天皇とは?」という問いが止まらず、

本棚にあった小林よしのり著「天皇論」を読みました。 

ゴーマニズム宣言SPECIAL天皇論

ゴーマニズム宣言SPECIAL天皇論

 

 2009年に出版され、

その時に買って一度読んだきりだったのだと思います。

ほとんど内容を覚えていませんでした。

10年ぶりに読んでみると、

その情報の多さに驚きました。

これで1500円は本当に安いです。

今日は、作品中の2つの章を取り上げて、

「天皇論」を紹介します。

 

第6章 皇室祭祀と三種の神器

今回の退位や即位の儀式にも出てきていた

三種の神器「鏡」「勾玉」「剣」ですが、

これは神話の時代から受け継がれているもの。

実は、誰もあの箱の中に本当に何がはいっているのか、

見たことがないと書かれています。

「えー?そうなの?」と私なんかは思ってしまいますが、

受け継ぐことに意味があると言われるとズシンときます。

 

三種の神器とは

単なる「モノ」ではなく、

民族の「エートス・魂」である。

 

今も皇居には

神話に起源を持つ「三種の神器」が

人目に触れることなく

安置され、

 

それを受け継ぐ天皇が

祭祀王としての務めを果たしておられる。

 

これは神秘にして

奇跡的な事実である

出典:天皇論 小林よしのり著 小学館 P115

 

つまり、あの箱を実際にあけたら何もないかもしれない。

でも、あると信じて…信じてという言葉は薄っぺらくて

ふさわしくないけど。

それを引き継ぐことが伝統なのだと思いました。

 

また、この章では宮中祭祀の重要さにも触れていて、

内掌典(ないしょうてん)という人々が、

宮中の中に住み、身を清め、ひたすら神に仕える生活を

しているこということも知りました。

ここで引用されていた以下の本も読んでみます。

宮中賢所物語―五十七年間皇居に暮らして

宮中賢所物語―五十七年間皇居に暮らして

 

 

第7章 天皇陛下の大御心・御即位20年・福祉

大御心(おおみこころ)という言葉について、

以下のように説明されています。

古来、天皇は国民を「大御宝」(おおみたから)と呼び、宝物のように守り、その幸福を祈る。そのような天皇の心を「大御心」(おおみこころ)と国民は呼んだ。

出典:天皇論 小林よしのり著 小学館 P115

 

天皇皇后両陛下(現・上皇上皇后両陛下)が、

地方や海外へ行き、

そこにいる人々と触れ合っているのをよくテレビなどでみます。

私は何も何も考えずぼんやりとみていたのですが、

「人に会う」ということを第一に考えていらっしゃるそうです。

特番でもみたけれど、一度被災地訪問で両陛下に会われた人が、

再び、会った時に覚えていてくださって嬉しかったと言っていました。

 

そして、私がハッとしたのは次の言葉。

それが当たり前だと思っていたけれど、

「無私」の存在でいるというのが、

どういうことなのか想像もつきません。

 

そりゃ全国どこの福祉施設に

行ったって、見るもの聞くもの

そんなに変わりはしないだろう

 

しかし両陛下は、

何百回も聞いたような

話を毎回真剣に聞き、

何百回も見たような、

施設を熱心に視察し、

励まし、慰める

 

それはまさしく「無私」の存在だからである。

 出典:天皇論 小林よしのり著 小学館 P124

 

まとめ

そのほかにも、紹介したいところはたくさんあるけれど、

とりあえず、ここまでにします。

最後に、一番心に残った言葉を紹介します。

自分が弱者であるのは天皇がいるからだ

という意見があるのに反論していく中での言葉です。

人はどんな家庭に生まれ、どんな環境に育つか、自分で選ぶ自由もない。

もちろん未来の運命は自分で切り拓く自由を持ってはいるが、

自分を一番自由にしてくれる束縛を求めて、人は踠き苦しむのである。

出典:天皇論 小林よしのり著 小学館 P316 

 

ゴーマニズム宣言SPECIAL天皇論

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では、また〜

こちらも合わせてお読みください

 

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