日本語教師わかばの教え方がうまくなるブログ

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【日本語教育】中級クラスの、新聞を使って漢字もできちゃう授業

漢字圏と非漢字圏が一緒にいるクラスで、

みなさん困っていませんか?

 

こんばんは。

わかばです。

 

今日は、漢字圏と非漢字圏が一緒にいるクラスで

読解や漢字の授業をするとき、

漢字圏には簡単すぎて、非漢字圏には難しいという

現象が不可避ですよね?

 

今日は、どうすれば両方に学びのある授業ができるか?

ということを書きたいと思います。

 

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新聞を使った授業

イントロダクション

まず、新聞を使います。

新聞は漢字が山ほどあります。

そこから、情報取っていくだけでも楽しい作業。

しかし、新聞というものがどういうものか

まずはわかってもらいます。

 

新聞とは?

「日本にはどんな新聞がある?」と聞きましょう。

「朝日」「読売」は出てきます。

そして「みなさんの国には?」と聞いてください。

今日は「林檎新聞」(台湾)

「ル・モンド」(フランス)

「コンパス」(インドネシア)などが出ました。

まず三大紙「朝日、読売、毎日」を教えて、

次に「この三つの違いって何ですか?」と問うてください。

 

社説探し

すると「政治についての考え」という答えが出ますから(多分)

「そうですね。じゃ、それが書いてあるところを

『社説』と言いますから、社説はどこか探してください」

と言って探してもらってください。

これ、見つけるのが難しいんです。

その後、本は1ページ、2ページと数えるけれども、

新聞は?と聞いたり、

一番大事な記事が載っているのはどこか?

聞いたり、(だから一面記事というのです)

広告はどれか?と聞いたりしてコミュニケーションを

取りながら知的好奇心を刺激してあげてください。

 

新聞をめくる

実際にペラペラめくりながら、

どんなジャンルが並んでいるかを確認

総合、国際、経済、政治、スポーツ、文化、社会などなど

ほとんどすべて初級で習う漢字です。

 

また、読める漢字、意味がわかる漢字もありますので、

意味がわかったところは、

マーカーでチェックさせていいかもしれません。

(今思いつきました)

 

「それで、ロビーにあるから、

毎日読むといいことあるよ」

と言って次のタスクへ。

 

見出しを読む

語彙を導入する

見出しを読むというタスクに移る前に

「見出し」「小見出し」「リード文」

などという語彙を教えておいてください。

 

見出しとは?

見出しというのは、一目で見て何が書いてあるか

わからなければならないじゃないですか。

それゆえ、短く書かなければならないのです。

そんなとき、漢字がそのポテンシャルを発揮します。

 

例えば「米中」とかいてあったら

「アメリカと中国」のことです。

「米中」は2文字

「アメリカと中国」は7文字です。

 

見出しの選び方

見出しは色々なものを集めて、

プリントにしておきます。

一目瞭然だけどちょっと考えるものがいいです。

日米首脳会談」とか

東京五輪開幕」とか

北島初V」とか

北海道地震 震度○」とか

○○人死亡、○○人安否不明」とか

ちょっとたちどまって考えたくなるものや、

実際の文になりやすいのでもいいと思います。

 

デパート今秋、売り上げ3割減

だったら、「デパートの今年の秋の売り上げは3割も減りました

というふうに。

 

みんなが悩む見出し

そんな中で3年くらい前に見つけた見出しがあります。

それは、中級くらいだったら漢字圏の人でも

まず意味がわからないって言います。

 

独旅客機 仏で墜落

 

まずどこで切ったらいいかもわからない…

ああでもない、こうでもないと語ってもらった後、

独仏をやります。つまり国の名前ですね。

 

漢字圏のみなさんはまさか、

日本語だけが違うと思っていなかったので、

ウンウンと考えていらっしゃいました。

露(ロシア)、豪(オーストラリア)

伊(イタリア)比(フィリピン)

あたりはわかりづらいかな?

旅客機、貨物機、墜落などの語彙も教えて

漢字は見るだけでわかるし、

読み方はわからなくてもいいんだってことを

教えてあげてください。

 

では、また〜