こんなツイートをしました。
「鴨」と「アヒル」の違いについて
— わかば@世界をひろげる日本語教師とライター (@saeriwakabaya78) 2019年7月8日
よく質問される2019年の夏
色がついているのはどちらか?
食べるのはどちらか?
「日本では鴨は食べるけど、
アヒルは食べません」
というと
「じゃ、なんで存在するの?」
と質問されました
「見るため……👀??」
自分でもよくわからなくなってきました😅
この質問、かれこれ5回くらい聞かれています。
とにかく中華系の皆さんは、
鴨を家鴨だと思っています。
家鴨という言葉もあまり知られていないような気がします。
今までの聞かれたAとBは何が違う?という質問を
まとめたいと思います
「鴨(かも)」と「家鴨(あひる)」
今日は食べるかどうかまでに話が及び、
私は「鴨は食べるけど、家鴨は食べないよ」と言ったら、
ものすごくびっくりされました。
韓国では「家鴨」は食べるけど、「鴨」は食べないそうです。
中国は「どちらも食べる」
アメリカは「どちらも食べない」でした…。
中国の方に「家鴨を食べないならどうして家鴨がいるの?」
と聞かれました。
「え?見るため?」ととっさに思ってしまいましたが、
なんのためと言われても……
でもなんだかとても面白い質問でした。
こんな質問、大歓迎です。
ハイヒールloverさんによる写真ACからの写真
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「猪(いのしし)」と「豚(ぶた)」
これもよく聞かれる質問です。
日本に来て間もない学生さんや、
日本語の勉強を初めたばかりの方に多いです。
中国語圏では猪(イノシシ)の概念がなく(?)
猪←こちらの漢字がそもそも豚をあらわすことから、
猪は豚で、豚は豚…え?その違いは?
になるみたいです。
中国語では猪肉は豚肉の意味です。
ちなみに日本語ではこうなっています。
猪とは?
イノシシ科の哺乳類。体長1・5メートル前後。ブタの原種。ブタに似るが、犬歯が下顎から上方へ突き出る。体毛は硬く暗褐色。山林原野にすみ、夜行性で雑食。肉は山鯨・ぼたんと称して食用とする。しし。い。
(出典:大辞林)
というか、イノシシって山鯨(やまくじら)なんだ。
なんだかわかる気がする。
クジラを食べなくなったら、そんな言葉もどんどん死語になるんですね。
それに初めて知ったんですが、イノシシって秋の季語なんですって。
豚とは?
偶蹄目の獣。イノシシを改良して家畜化したもの。食肉用として世界中で飼育される。体形はイノシシに似るが吻は短く上向きになり、牙が小さい。成長が早く、繁殖力が強い。毛色は白・茶・黒など。肉は生肉・ハム・ベーコンなどに利用される。ヨークシャー・ハンプシャー・バークシャーなど300以上の品種がある。実験動物としても用いられる。
(出典:大辞林)
第2の意味として、
太っている人をあざけっていう語
などともあり、野生で強く生きるイノシシに対して、
なんだか飼いならされた「蓄」感滲み出る説明が切ない…
最終的に猪は「もののけ姫のおっことぬしだよ」もしくは
「バカになりつつあるいのしし」と言えば、
わかってくれます。
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「雪」と「霙(みぞれ)」と「霰(あられ)」
これは、東南アジアなど、
雪の降らない国の学生さんからの質問です。
もっとも、彼らは「雪」が全てなので、
どこかで「みぞれ」という言葉を聞いてきて、
「へえええ」ってなるっていうわけです。
または、「あられが降ってるね」と言われて、
「ええ?食べ物ですかっ??」ってなるわけです。
昨冬、東南アジアからきた学生さんたちに
質問されました。
みぞれとは?
雪が空中で解けかけて雨まじりに降るもの。ひさめ。冬の初めや終わりに多い。
(出典:大辞林)
かき氷のみぞれとかみぞれ鍋とか、
みぞれって割と私たちの生活に入り込んでいる語彙なんですよね。
あられとは?
水蒸気が氷の粒になって降ってくるもの。雪と雹との中間の状態のもの。雪霰(ゆきあられ)・氷霰(こおりあられ)の総称
(出典:大辞林)
まあ、そうですね。
傘に当たってパチパチいうのが霰というイメージです。
日本語はおもしろい
とまあ、こういう質問を受ける仕事は
とっても面白いと思います。
語彙の広がりを考えるとき、
日本人の生活文化とそれを取り巻く
環境や風土にも注目せざるを得ません。
そういったことが、自文化との違いを
考えさせるきっかけともなるでしょうね。
ちなみに私もメキシコ留学時、
サボテンにも色々と種類があり、
それぞれに名前があることに驚きました。
私もこの記事を書いていたら、
色々と勉強になりました。
いつも気づきを与えてくれる学生さんに感謝です。
では、今日はこのへんで。
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