日本語教師わかばの教え方がうまくなるブログ

日本語教師わかばのことばにまつわるあれこれ。ライターもやってます。旅行と映画と本が好き。

【日本語教師への質問】鴨とあひるの違いは何?

こんなツイートをしました。

 

この質問、かれこれ5回くらい聞かれています。

とにかく中華系の皆さんは、

鴨を家鴨だと思っています。

家鴨という言葉もあまり知られていないような気がします。

今までの聞かれたAとBは何が違う?という質問を

まとめたいと思います

 

「鴨(かも)」と「家鴨(あひる)」

 

今日は食べるかどうかまでに話が及び、

私は「鴨は食べるけど、家鴨は食べないよ」と言ったら、

ものすごくびっくりされました。

 

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韓国では「家鴨」は食べるけど、「鴨」は食べないそうです。

中国は「どちらも食べる」

アメリカは「どちらも食べない」でした…。

 

中国の方に「家鴨を食べないならどうして家鴨がいるの?」

と聞かれました。

「え?見るため?」ととっさに思ってしまいましたが、

なんのためと言われても……

でもなんだかとても面白い質問でした。

こんな質問、大歓迎です。

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ハイヒールloverさんによる写真ACからの写真



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「猪(いのしし)」と「豚(ぶた)」

これもよく聞かれる質問です。

日本に来て間もない学生さんや、

日本語の勉強を初めたばかりの方に多いです。

 

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kikitanさんによる写真ACからの写真

 

中国語圏では猪(イノシシ)の概念がなく(?)

猪←こちらの漢字がそもそも豚をあらわすことから、

猪は豚で、豚は豚…え?その違いは?

になるみたいです。

中国語では猪肉は豚肉の意味です。

 

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ママレモンさんによる写真ACからの写真

 

ちなみに日本語ではこうなっています。

 

猪とは?

イノシシ科の哺乳類。体長1・5メートル前後。ブタの原種。ブタに似るが、犬歯が下顎から上方へ突き出る。体毛は硬く暗褐色。山林原野にすみ、夜行性で雑食。肉は山鯨・ぼたんと称して食用とする。しし。い。

(出典:大辞林)

というか、イノシシって山鯨(やまくじら)なんだ。

なんだかわかる気がする。

クジラを食べなくなったら、そんな言葉もどんどん死語になるんですね。

それに初めて知ったんですが、イノシシって秋の季語なんですって。

 

豚とは?

偶蹄目の獣。イノシシを改良して家畜化したもの。食肉用として世界中で飼育される。体形はイノシシに似るが吻は短く上向きになり、牙が小さい。成長が早く、繁殖力が強い。毛色は白・茶・黒など。肉は生肉・ハム・ベーコンなどに利用される。ヨークシャー・ハンプシャー・バークシャーなど300以上の品種がある。実験動物としても用いられる。

(出典:大辞林)

 

第2の意味として、

太っている人をあざけっていう語

などともあり、野生で強く生きるイノシシに対して、

なんだか飼いならされた「蓄」感滲み出る説明が切ない…

 

最終的に猪は「もののけ姫のおっことぬしだよ」もしくは

「バカになりつつあるいのしし」と言えば、

わかってくれます。

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「雪」と「霙(みぞれ)」と「霰(あられ)」

これは、東南アジアなど、

雪の降らない国の学生さんからの質問です。

 

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acworksさんによる写真ACからの写真

 

もっとも、彼らは「雪」が全てなので、

どこかで「みぞれ」という言葉を聞いてきて、

「へえええ」ってなるっていうわけです。

または、「あられが降ってるね」と言われて、

「ええ?食べ物ですかっ??」ってなるわけです。

 

昨冬、東南アジアからきた学生さんたちに

質問されました。

みぞれとは?

雪が空中で解けかけて雨まじりに降るもの。ひさめ。冬の初めや終わりに多い。

 (出典:大辞林)

 

かき氷のみぞれとかみぞれ鍋とか、

みぞれって割と私たちの生活に入り込んでいる語彙なんですよね。

 

あられとは?

水蒸気が氷の粒になって降ってくるもの。雪と雹との中間の状態のもの。雪霰(ゆきあられ)・氷霰(こおりあられ)の総称

(出典:大辞林)

 

まあ、そうですね。

傘に当たってパチパチいうのが霰というイメージです。

 

日本語はおもしろい

とまあ、こういう質問を受ける仕事は

とっても面白いと思います。

 

語彙の広がりを考えるとき、

日本人の生活文化とそれを取り巻く

環境や風土にも注目せざるを得ません。

 

そういったことが、自文化との違いを

考えさせるきっかけともなるでしょうね。

 

ちなみに私もメキシコ留学時、

サボテンにも色々と種類があり、

それぞれに名前があることに驚きました。

 

私もこの記事を書いていたら、

色々と勉強になりました。

いつも気づきを与えてくれる学生さんに感謝です。

 

では、今日はこのへんで。

 

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