日本語教師わかばの教え方がうまくなるブログ

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『よい移民』の出版トークイベントに行ってきました!

このようなことを呟きました。

 

前々から気になっていて、購入もしていた本、

『よい移民』の出版トークイベントに行ってきました。 

よい移民

よい移民

 

 恥ずかしながら、

最近時間がなくて全然読めていないなかの、

出席で申し訳ない限り。

でも、イベントに参加して、

絶対読むぞ!という気持ちになりました。

 

まず、この本はイギリスで2016年に

クラウドファンディングによって出版された本です。

そのタイトルからもわかるように、

イギリスに住む移民とその子孫12人が、

それぞれのストーリーを書いたアンソロジーで、

それを翻訳者の栢木清吾さんが日本語に翻訳したものです。

 

皆さんも知っての通り、

イギリスというのはインド・パキスタン

などの旧植民地からの移民がかなり多い国です。

 

しかし、まだ出版の世界というのは、

白人の世界なのだそうです。

本書の編者であるインド系イギリス人のニケシュ・シュクラ

も出版社に企画を出しに行ったら

「今年はもうインド系の作家のを出したから無理」

みたいなことを言われたりしていたそうです。

中身をみていい作品かどうか決めるのではなく。

 

イギリス社会が移民社会になって、

もう何十年とたつというのに、

いまだにそんな社会であることに

もううんざりしているのです

 と前書きにもあります。

マイノリティはいつまでたってもマイノリティなのです。

たとえ、イギリスで生まれていたとしても。

 

そんな気持ちを12人の移民、移民2世が語ります。

その中の一人「機会の窓」を書いたハイムシュ・パテルは

今現在公開中の映画『イエスタディ』の主演男優です。

これ、ぜひ観てみたいです。


映画『イエスタデイ』予告

 

また「空港とオーディション」を書いたのは

ハリウッド俳優のリズ・アーメッド。

彼はパキスタン移民です。

空港でもオーデションでも、

過激派ではないかとあらぬ疑いをかけられ、

そういう役ばかりしか回ってこないことにうんざりしていたそうです。

今はハリウッド映画にも出ているようですね。

 

映画『ゴールデン・リバー』に出ています。


黄金が男たちを狂わせる…西部劇サスペンス「ゴールデン・リバー」予告編

 

このように、当事者が語る移民。

タイトルである『よい移民』とはどういう意味か?

編者まえがきにもこうあります。 

私たちがポピュラー・カルはーで活躍したり、競技会で勝利したり、美味しいケーキを焼いたり、良心的な医者になったりすることで、人々の意識の中の一線を越えて「よい移民」に鳴るまで、社会は私たちを「わるい移民」ー仕事泥棒、福祉手当にたかるやつら、ガールフレンドを

盗む連中、難民ーとみなしてくる。 

 

そして帯には、

 

「良い」「悪い」は、いつも 他人が決めている。

 と。

 

日本も今や正真正銘の移民社会です。

隣人がどういう世界から来て、

今、どういう生活をしているのか?

少しでも想像力を働かせて、

生きる道を選ばなければならないと思います。

 

センセーショナルな番組もネット記事も

放映された当初は話題にもなります。

でも、その分、忘れられるのもはやい。

 

しかし、このような本は、

マイノリティーであることに傷つく、

誰かの心のそっと寄り添い続けるのだろうと思います。

 

皆さんもぜひ読んでみてください!では!