日本語教師わかばの教え方がうまくなるブログ

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Eテレ「宮沢賢治銀河への旅ー慟哭の愛と祈り」再放送のまとめと感想

 GWも残り2日となりました。

なんだかムズムズしますね。

 

こんばんは。

わかばです。

 

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今日は見逃していたEテレの

「宮沢賢治銀河への旅ー慟哭の愛と祈り」をやっています。

この記事はそれをみながらまとめて書いている記事です。

最近、読書会「あきらめ会」を開催していないのですが、

再開のために書いておきます。

公式サイトはこちら↓

NHKドキュメンタリー - ETV特集 アンコール「宮沢賢治 銀河への旅~慟哭(どうこく)の愛と祈り~」

 

「人間のもだえ」と保坂嘉内

保坂嘉内というのは、宮沢賢治の友人です。

盛岡農林高等学校の自啓寮で同室でした。

岩手山に登ったり、

文芸同人誌「アザリア」を創刊したりしました。

そんななか「人間のもだえ」という劇をします。

農民の生き方こそが人間の生き方だということを

伝える劇です。

賢治は全知の神ダークネス役だったので顔を黒く塗り、

嘉内は全能の神アグニだったので顔を赤く塗りました。

 

賢治と嘉内は二人で夜に山に登ります。

そのとき、松明の火が消えてふたりで息を吹きかけた

思い出をお互い歌にしています。 

 

というわけで、賢治は嘉内を恋愛対象として

好きだったのでしょう。

そして、その思いは嘉内も同じだったのだと思います。

 

嘉内は「アザリア」の中で書いたものが、

「皇室批判」だとされて、学校をやめてしまいます。

二人はそれ以降、ほとんど会うことはありませんでしたが、

手紙のやりとりだけは続けていました。

東京での再会

何年後かに、賢治は法華宗の仕事?

でしばらく東京に滞在します。

そして、偶然嘉内も軍隊にいて、

東京にいたので、会うことになりました。

 

賢治は嘉内をダルゲとし、その再会の様子を

エッセイにしています。

宮澤賢治 圖書館幻想

 

当日の保坂嘉内の日記には、

宮沢賢治面会来と書いてありましたが、

斜線でけしてありました。

 

このとき、どんなことが話されたのかは、

わかっていません。

 

詩人としてのスタート

 

その後、花巻農学校で教師として

働き始めた宮沢賢治。

そして、最初の詩集である「春と修羅」を書きます。

賢治は春と修羅の中で、

いかりのにがさまた青さ
四月の気層のひかりの底を
つばきし はぎしりゆききする
おれはひとりの修羅なのだ

(出典:青空文庫 宮沢賢治 『春と修羅』 )

 

と書き、道を外れたよこしまな人間だといっています。

きっと嘉内のことを忘れられない自分のことを

いっているのではないでしょうか。

 

次に、小岩井農場へ行き、

また詩を書きます。

 

情操的恋愛はみんなを幸せにする恋愛。

二人が幸せになるのが普通の恋愛。

性欲だけでつながる恋愛は最低の恋愛。

でも、性欲だけで始まっても、情操的恋愛にたどり着くことはできる。

と書きました。

これもまた、嘉内のことかと思われます。

 

とし子を失う

最愛の妹、とし子を失った悲しみに耐えきれず、

賢治は樺太への旅にでました。

そして、夜行列車に乗り、

「銀河鉄道の夜」の着想を得たそうです。

 

そして、ある冬の日、賢治は陸中海岸に行きます。

そこで星を見ているのですが、

その冬の朝、土星とケンタウルス座が最も近づくのです。

賢治は土星を嘉内に、

ケンタウルス座を自分に重ねあわせていたのです。

 

そして、ジョバンニとカンパネルラの物語、

「銀河鉄道の夜」を書きます。

 

銀河鉄道は死に向かって走る列車です。

他人の命を助けて、自らの命を失った人が乗っています。

タイタニック号の沈没の際、ボートに乗れなかった人たちです。

 

他人のために自分の命を犠牲にした人たちに救いはあるか?

ほんとうの幸せとは何か?

というのが「銀河鉄道の夜」の大きなテーマですが、

自分と好きな人を重ねあわせて登場させてもいたということです。

 

わたしはそれを知ってとてもびっくりするとともに、

どれだけ深いんだろう…と思って、

もっともっと宮沢賢治を読みたくなりました。

 

以下の本は読んでみたい!と思っています。

 

宮沢賢治詩集 (岩波文庫)

宮沢賢治詩集 (岩波文庫)

 

 

 

銀河鉄道の夜 (280円文庫)

銀河鉄道の夜 (280円文庫)

 

 

 

別冊NHK100分de名著 集中講義 宮沢賢治 ほんとうの幸いを生きる

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読んでおきたいベスト集! 宮沢賢治 (宝島社文庫)

読んでおきたいベスト集! 宮沢賢治 (宝島社文庫)

 
―新書で入門―宮沢賢治のちから(新潮新書)

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では、また~

 

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