日本語教師わかばの教え方がうまくなるブログ

日本語教師わかばのことばにまつわるあれこれ。ライターもやってます。旅行と映画と本が好き。

【JLPT】N2文法「〜ことなく」の授業

今日は実は新しいお仕事に挑戦します。

すごくドキドキ。

 

こんにちは。

わかばです。

 

昨日、こんなことをつぶやきました。

 

結局、どんな授業をしたの?

ということを書きたいと思います。

 

f:id:wakaba78:20190427121842j:image

 

まず、この文法のクラスは

少し前まで「みんなの日本語」をやっていたクラス。

ですから、中級表現をほとんどやっていないのですね。

それなのにテキストはTRY!N2です。

 つまり、TRY!N3の表現が抜け落ちるということ。

 

つまり、「ことがある」に限ったことでいえば、

みんなの日本語 19課で習う経験の

「食べたことがあります」しか知らないということです。

 

そんな人たちにいきなり「〜ことなく」を

教えても、それは丸暗記にしかなりません。

それは英語の勉強を始めて間もない中学生が、

in order to を〜のために、と丸暗記するのと同じです。

 

だから、まずは「〜ことがある」を導入。

 

SさんはいつもAスーパーへ行きますが、

Bスーパーへいくこともある。

 

京都のバスは観光客でいっぱいで

乗れないことがある。

 

というように、「する」のか「しない」のかではなく、

「ある」のか「ない」のか

にフォーカスした言い方なんだよ〜ということを

インプット。

 

そのあとで、

 

Aさんはずっとアメリカに住んでいたが、

時々、日本に帰ってくることがあった。

 

など、過去形を導入しました。

そのあとで、「亡命」という言葉を

辞書で引いてもらいました。

この辺りは、皆大人なのでよくわかっています。

こういう大人の話題を入れ込むことも

中級表現を教える上でのポイントの一つ。

 

なぜ、「亡命」するのか?

「亡命」したらどうなるのか?などの話をして、

 

Bさんは一度も故郷に帰ることはなかった。

 

ここが「ことはなかった」と「は」になるのは、

否定の「は」ですね。

 

そして最後に、上記の文に加えて、

「この世を去った」をつけたらどうなる?

と問いを投げかけます。

 

すると

「一度も故郷に帰ることなく、なくなった」

とみんなでリピートします。

 

そこで、「はい、テキストみてください」と言います。

最後にこんな感じでまとめることができました。

「ことなく」だけで20分くらいですかね。

 

そのあとで、千と千尋の神隠しのラストシーンを

思い浮かべてもらって、

「千尋は振り返ることなく、元の世界に戻っていった」

という例文も出しておきました。

 

私の平成最後の文法の授業はこんな感じでした。

ご参考になればうれしいです。

 

では、また〜

 

 

 

 

 

 

スポンサーリンク