日本語教師わかばの教え方がうまくなるブログ

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【JLPT】N2文法「つつある」の例文と教え方

【教え方のこと】

 

N2文法の中でも比較的教えやすいイメージのある「つつある」

でも、うまく運用できなかったり、

間違えて覚えてしまっていることも多い文型でもあります。

今日はそんな「つつある」について考えたいと思います。

 

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どんな意味?

デジタル大辞林にはこうあります。

物事が進行中であることを表す。

「台風が近づきー・る」

 

例文を見れば、変化であるということはわかります。

「近づいている」と「近づきつつある」の違い

じゃあ、「近づいてる」と「近づきつつある」は何が違うのか?

「治ってきている」と「治りつつある」は何が違うのか?

「増えている」と「増えつつある」は何が違うのか?

「つつある」というのは、

変化の最中にあるという意味が強いように思います。

つまりは変化の進行形。

または、その変化が静かに始まっていることも

意味しているのではないでしょうか?

「空気中の二酸化炭素が増えつつある」というのは、

ガンガン増えている今となってはなんかおかしい気がします。

 

 

「つつある」が使えない動詞

だから、「食べつつある」とか

「飲みつつある」とかは変ですよね。普通の行為だから。

「ある」「いる」も一緒に使えないですね。

 

だけど、「食べ終わりつつある」とかは、

食事がもうお開きのフェーズに入ったこと、

または終わる方向に向かっていることを

表現することはありそうです。

 

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どうやって教える?

社会の変化

私が先日の授業でやったのは

私「今世界に言語ってどのくらいありますか」

S「100?」

S「7000」

私「そう!7000」

という話題から入って行きます。

1位は何語?とか日本語は何位?とか。

私「じゃあ、5年後も同じ数字かなあ?」

そういうとみんな首を振ります

そこで「言語は減りつつある」を導入します。

「他に減りつつあるものはなんですか?」と聞くと、

「野生動物」とか「石油」とか色々出ました。

 

環境の変化

次に、海面上昇の写真を見せて、

「どうしてこんなことになっていると思う?」

と問いかけます。

温暖化とか色々な話しをしたあとで

太平洋地域の海面上昇の話をします。

それは割とみんな当たり前になっていますよね。

だから「〜つつある」感出ないと思うんですよね。

例えば、東京湾の海面は「上がりつつあります」というと、

今まさにそういう状況にあるという感じで、

ぴったりくるような気がします。

 

学生さんの文作

「人々の考えは昔と比べてオープンになりつつある」とか

「世界中で水不足が深刻化しつつある」というようなことを

書いていました。

ちゃんと導入できるかどうかの見極めのポイントは

「さ、文を作ってみて」と行った時に、

ささっと鉛筆が動くかどうかのような気がしますね。

 

今日はこのへんで。

では、また〜。

 

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