日本語教師わかばの教え方がうまくなるブログ

日本語教師わかばのことばにまつわるあれこれ。ライターもやってます。旅行と映画と本が好き。

楽しそうにしていることだけが学びとは限らない

【学びとは何か?】

 

昨日、このようなことをつぶやきました。

 

楽しいそうにしていること

「わかった!」といってもらえること

アンケートで良い結果が出ること

 

いずれも自分の教師としての自尊心を

くすぐってくれるものです。

それをもって、この仕事が楽しいと思えるのも

無理はないかもしれません。

 

しかし、それはすごく浅はかな考えだと思いました。

 

学びというものは必ずしも、

ポジティブなものばかりではない。

ということを私が学んだという話を今日は書きたいと思います。

 

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授業は素材が命

中級以降の授業では、

日本語を学ぶためだけに書かれた文章や、

聴解教材を聴かせるのはどうなのか?

と思うところがあります。

 

日本語を使って、誰かの新しい考えを知る。

日本語を通して、世界で起きていることに目を向ける。

 

その過程を通して日本語の能力を伸ばしてほしいと

思っているのです。

 

ですから、自分がおもしろい!深い!興味深い!

と思ったものをできる限り、

授業に投入しています。

 

参考記事 わたしが授業でよく使う動画3選 - 日本語教師わかばの教え方がうまくなるブログ

 

上記のブログでも紹介している松山大耕氏の

TEDの動画を中級後半で見ました。

すると、お昼下がりの授業だったためか、

だるそう、眠そう、つまらなそうで、

この動画を見せたことを少し後悔していたんです。

 

ポジティブな反応ばかりではない

しかし、次の日、そのクラスに入った先生が

教えてくれました。

 

「クラスのAさんが、頑張って読んでいるものがあるから、

 何を読んでいるのかきくと、『昨日見たスピーチが興味深かったので、

 そのスクリプトを読んでる』と言っていた」

 

私は少し驚きました。

なぜなら、昨日の授業は完璧に伝わっていなかった。

失敗だったと思っていたからです。

 

そして、気がつきました。

楽しそうな表情だけが学びのサインではない、と。

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深く素材と向き合うとき

 

私にも覚えがあります。

中学生のとき、チャップリンの映画「独裁者」の中の

スピーチを英語で読めと社会科のS先生に言われたとき、

ビートルズの歌で英語を勉強するような楽しさがないことを、

感じ取っていました。

 

難解な語彙や文法という硬い殻に包まれた

その中におぼろげながら、

触れてはいけない真実があるような気がしたのです。

 

そして、それを知ることこそが学びなのだ

ということをS先生は伝えようとしていました。

 

わたしは、結果を待てませんでした。

「楽しい」「おもしろい」と即反応できるものだけが、

良いものだと勘違いしてました。

そして、そんな反応があるものだけを、

良いものだと思い込んでいました。

 

これからは、無反応、ネガティブなリアクションを恐れず、

彼らの中でどんなものが生まれているのか想像しながら、

それを言葉にする手助けができればいいな。

そして、わたし自身も彼らとともに

学んでいかなければいけないと思いました。

 

では、また〜

 

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