「この世界の片隅に」の片渕須直監督作品。
子ども時代の宝物が詰まったような物語。
メッセージはわかりにくいけど、なぜか心が温まる不思議な映画。
こんばんは。
わかばです。
マイマイ新子と千年の魔法（2009/日本）
監督：片渕須直
主演：福田麻由子
森迫永依
あらすじ：
小学3年生の新子は、山口県の片田舎に住む普通の女の子。友だちや家族に囲まれ、この町にあった平安時代の地方の国の都「国衙」について空想することが好きだった。そんなある日、東京から貴伊子という生徒が転校してくる。貴伊子が気になった新子は、次第に親しくなっていくが……。
（Yahoo映画より）
オススメ度 ★★★☆☆（３．２）
マイマイとは「つむじ」のこと。
主人公・新子は前髪の生え際につむじのある１０歳の女の子です。
マイマイはアンテナみたいで、揺れると新子の想像力がふくらみます。
※以下、ネタバレがあります。
寂しい少女、貴伊子と出会う
新子の住むところには、昔からの人が住んでる集落と、
ちょっと離れたところに工業団地みたいなのがあって、
（劇中では「社宅」と呼んでいます）
新子は昔ながらの集落に住んでいます。
そこに、貴伊子という女の子が（たぶん）東京から引っ越してきて、
その工業団地のお偉いさん用の住宅に住みます。
その貴伊子は、お母さんが亡くなって、お父さんと二人暮らしなんだけど、
お父さんは仕事でいつも家におらず、お手伝いさんがお世話をしています。
仲間ができたら、秘密基地を作る
貴伊子は、複雑な家庭の事情もあってか、
学校ではかなり浮いています。
前の学校の制服を着ていくっていう
転校生として一番やっちゃいけないことをしてしまいます。
そしてあろうことか、田舎者が絶対にもっていない
２４色の色鉛筆とか出してきて、
青っ洟垂れた男子に折られてしまいます。
そんな貴伊子とひょんなことから仲良しになった新子は、
貴伊子といっしょに遊ぶようになります。
スクールカーストの低い子たちは低い子たちだけで
仲良くなるものです。そして秘密基地を作るものなんです。
もう行動パターンがホント子どもです。
わたしもそうでした。このあたり本当に懐かしいです。
秘密基地ができたら、生き物を飼う。これ鉄板。
思い出話になりますが、わたしの秘密基地は体育倉庫でして、
そこを家みたいに改造して、みんなでネコを飼っていました。
忘れもしませんが、そのネコの名前は「剣龍」でした。
剣龍はある日忽然といなくなりました。
そのあと、その秘密基地に行く回数もどんどん減っていき、
自然消滅みたいになっちゃいましたけど。
さて、新子たちは、怖そうな上級生も仲間にひきいれて、
川をせき止めて池を作ります。その池で金魚を飼いますが、
お約束通り、その金魚は死んでしまいます。
がっくりを肩を落とす貴伊子。
そして、その金魚に似た金魚を探すために、
明日も遊ぼうと約束するのですが、
そこで事件が起こります。
仲間の一人の父親が、死んだというのです。
そしてその仲間はその日のうちに、
親戚に引きとられるという話を、新子は耳にしてしまいます。
「明日も遊ぼうと約束したのに…！」
そう強く願う新子は日が暮れているにもかかわらず、
その仲間の元にかけつけるのでした。
もう一つを流れる幼き日の清少納言の物語
父・元輔の周防守赴任に同行し、現在の山口県にやってきた
幼き日の清少納言。イメージ通りの活発な少女だけど、
こちらも都を離れ一人さびしく暮らしており、
友達、絶賛募集中。
そんななか、召使（？）の全く笑わない少女に目をつけ、
なんとか友達になれるよう働きかける。
という物語が新子の物語と並行して語られます。
「千年前に都があった」と聞いた新子の想像の世界が、
どんどん広がっていくのは不思議ですが、
すんなり心に入ってきました。
友だちがいれば辛くても大丈夫。それが千年の魔法なのかも。
新子以外はみんな家庭に問題がある子ばかりが出てきます。
最初のうちは、表情も冴えません。
だけど、友だちがいれば、一緒に遊べたら大丈夫。
自然の中で、生き物と戯れているだけで、
笑顔になれる！
子どもって大人が思っているより、強いんですね。
そして、みんな子どもだった。
そんなことが思い出されて、思わず泣ける映画でした。
あなたも思い出を。
では、また～。
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