わたしは台湾に一度も行ったことがないんですが、
住んだことのあるメキシコや中国よりも、
今、一番近い国なんですよね。
なぜかというと、日本語を教えた人で一番多いのが台湾の方なのです。
こんばんは。
わかばです。
湾生回家(2015/台湾)
これが2016年に映画館で観た最後の映画になりました。
一昨年、台湾で公開されていたときから、
早く日本に来ないかな~と心待ちにしていた映画です。
たしか、大阪のアジアン映画祭にも来ていたのですが、
なかなか映画のために大阪まで足を伸ばせず・・・。
昨年末にようやく京都シネマで公開されたので、
満を持して泣いてきました。
監督:黄銘正
出演:冨永勝 家倉多恵子 清水一也 ほか
あらすじ:
本作は、登場する「湾生」たちそれぞれの物語であるだけでなく、約20万人の「湾生」の人々の物語でもあります。彼らの身を焦がすような台湾への愛から生まれた作品であり、時間と空間を超えた人間同士の友情と家族の絆の物語です。
残された時間のなかで「湾生」たちが語る言葉の端々から、台湾に対する信頼と絆、愛、希望、そして平和への願いが、私たちの心の中に静かに響いてきます。
(公式サイト湾生回家より)
わたしの台湾映画との出会いは、
まず有名な「悲情城市 [DVD]」です。
玉音放送で始まる冒頭部分がすごく印象に残ってます。
内容をほとんど忘れてしまったので、もう一度観たいな。
それから、有名な「海角七号/君想う、国境の南 [DVD]」ですね。
日本統治時代を知る人の現在を追いかける
ドキュメンタリー「台湾アイデンティティー [DVD]」もよかったです。
まだ観ていないけれど、観ないといけない「セデック・バレ」。
そして、「KANO~1931 海の向こうの甲子園~ [DVD]」。
そのほとんどが日本統治時代をテーマにしたものです。
高校生の頃から、戦前の日本を映画で描くというと、
日本は一方的に悪く描かれているのが、
当然のように思っていました。
だから、30代になってから、
そうではない描き方に出会って感動的でした。
そんな流れで観た今回の「湾生回家」。
湾生とは日本統治時代の台湾に生まれた日本人のことで、
敗戦後、行ったことのない祖国に戻った人々のこと。
「回家」とは中国語で家に帰るという意味。
だから、この映画は湾生たちが故郷台湾に帰る様子を追いかけた
ドキュメンタリー。
日本人が日本に戻ると字ずらだけでみると、
それほどに違和感はないけれど、
台湾で生まれた方々にとっては、
台湾が故郷なわけで、そこに幼馴染もいれば、
思い出もそこにあるというわけ。
そして、日本人でありながら、「異邦人」のようにして、
日本で戦後を生きのびてきた人々。
年老いてなお、「故郷台湾に帰りたい」と強く願う人々がいて、
その願いを叶え、いつでも歓迎してくれる国、台湾。
その人々の想いをすくいとり映画にした監督とスタッフ。
台湾の人々には頭が上がらない。
これほどまでに優しい気持ちがあるだろうか。
日本に占領され、日本人が入植し、
霧社事件などの事件もありながら、
それを乗り越えて、絆も生まれ、
戦後70年経ってなお、そこで生まれた日本人を
迎え入れてくれるなんて。
しかも、当時の戸籍が残っていて、
それを冊子にしてプレゼントまでしてくれているのには驚いた。
ただ、「人間を信じている」としか言えないような
あたたかい感情が映画を通して伝わってくる。
台湾に通うようになって、
すっかり病気が治ったという女性。
幼馴染との再会に涙する男性。
日本人の祖母の生きた証を探す湾生の孫。
そのどの人生にも、歴史に翻弄された自分の人生を受け容れ、
それでも、愛する故郷をただ胸に生きていきたいという、
美しさがある。
いったいどれほどまでに素晴らしい国なの?台湾!
そう思わずにはいられないし、
それと同時に、好奇心も湧いてくる。
日本統治時代はどんな時代だったのか。
もっと知りたくなる。
絶対に行きたくなる。
そんな国が近くにあってよかった。
台湾行きたいわん。
では、また~。
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