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読書感想【みみずくは黄昏に飛びたつ】村上春樹の作品をひもとくヒント満載の対談

「騎士団長殺し」とともにひと夏を

過ごした感あります。

 

こんばんは。

わかばです。

読書感想59冊目です!

 

対談 村上春樹 川上未映子「みみずくは黄昏に飛びたつ」

みみずくは黄昏に飛びたつ

 

対談って、〇〇〇〇著、って書くのかな?

って今一瞬迷ったけど、あまり深く考えず、

上記のようなタイトルにしますね。

 

さて、毎月参加している読書会で

「騎士団長殺し」を読んでて、

その流れで、

この本も読書会の課題本になりましたので、

読みました。

 

わたしの個人的なポイントは、

以下の通りですー。

 

・川上未映子が村上春樹、好きすぎる!

 (わたしもそうですが!)

 

・村上春樹の文章の書き方が、

 すごく勉強になる!

 

・地下二階の話がよすぎる!

 クヨクヨ室ってネーミングもイイ!

 

もうひとつ、番外編として付け加えるならば、

 

・イデアというのはプラトンのイデアじゃない?!

 

これには、読書会メンバーもズッコケてまして。

師匠(読書会主催者)が、プラトンのイデアについて、

「騎士団長殺し」の際に、説明してくれるも、

あっさりと「それとは関係ない」と書かれていて、

インタビュアーの川上未映子氏もびっくりしてた(笑)

 

さて、本題。

 

にしても、村上春樹氏が

小説の書き方とか、

あけすけに説明してました。

 

長編を書く時は、

一気にかいてしまうのですって。

細かい矛盾とかを気にせずに。

そして、毎日かならず10枚書くんですって。

 

一気に書いたものをどうするかというと、

もちろん直していくんだそうです。

でも、その直しがすごいのだとか。

 

最初まずひととおり書いておいて、それを何度も何度も書き直して、磨いていって。ほとんどこのまま永遠に手を入れ続けるんじゃないかと心配になるくらい手を入れていくうちに、だんだん自分のリズムというか、うまく響きあうポイントになっていくんです。

 

なるほどなー。

村上春樹でさえ、そうなんだから、

わたしなんて、何をかいわんや、です。

反省。

 

それから、作家もそうだけど、

何かを生み出している人って、

どこからそのネタを得ているの?

って思うことがありますよね?

 

それについても、村上春樹氏はこう答えています。

 

作家にとって大事なのは抽斗なんです。必要なときに必要な抽斗がさっとあいてくれないと、小説は書けません。(中略)手持ちのキャビネットが小さな人、あるいは、仕事に追われて抽斗の中身を詰める時間のない人はだんだん涸れていきますよね。だから、僕は何も書かない時期には、一生懸命、抽斗にものを詰めていくことにしています。

 

 う~~、これ、すごくわかる~。

だって、日本語教師もそうだから。

これをしない人の授業は、

すごくつまんないと思う。

 

私にとっては映画や本や自然遊びが

抽斗を詰める行為です!

 

 で、この本でいいなぁと思うのが、

地下二階のことなんですよね。

まぁ、自分なりに理解したことを図にすると

こんな感じ。

(本冊の川上未映子氏のイラストを真似て描きました)

 

f:id:wakaba78:20170829020021j:image

 

1階=家族や友人との暮らし

2階=一人の生活

地下1階=自分の内面。過去に受けた傷、

トラウマなどを抱えて、クヨクヨ考えるスペース

(通称:クヨクヨ室)

地下2階=自我をも通り越した自分の心の闇の底

 

小説って太宰治の人間失格とかもそうだけど、

わりと地下1階が描かれることが多い。

だけど、村上春樹氏はそこには興味がなくって、

そこをも通り越した心の闇の底に降りていくと、

どうなるか?みたいなのを小説で描いているらしい。

 

なるほど、この地下2階というのは、

おもしろい。

 

地下二階ってのは「騎士団長殺し」の最後で、

「顔なが」に導かれてはいっていった世界のような

ところなのだそうだけど、

 

やっぱりそこは「無意識」の世界であって、

その「無意識」が自分に与えている影響とか

そういうものに向き合わないと

いけないんじゃないかな~みたいな話を

したような気がする。読書会で。

 

そして地下二階の存在を知っている人と

知らない人の間にも

大きな違いがある、とも。

 

なんだか、まとまりがないけれど、

これで終わります。

村上春樹の好きな人はきっとおもしろいと思うので

ぜひぜひ読んでみて下さい。

 

 

みみずくは黄昏に飛びたつ

みみずくは黄昏に飛びたつ

 

 

みみずくがほらそこに!

では、また~。

 

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