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読書感想【ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた】私のとこにもきて。

タイトル長すぎです。

「もし野球部のマネージャーが、ドラッガーのマネジメントを読んだら」

へのオマージュでしょうか?

にしても、「もしドラ」と略すことができるから、

いいけれど、これはどう略すの?

ニチェてつ?!

 

こんばんは。

わかばです。

 

ちなみに読書感想60冊目です♡

 

原田まりる 著「ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた」

ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。

3つのポイント

 

・キャラとストーリーがおもしろい

 

・哲学を噛み砕き、初心者でもわかりやすい

 

・舞台としての京都がイキイキしている!

 

 

装丁も「もしドラ」っぽいでしょ?

って軽くdisり気味なのですが、

いやいや、この本

わかりやすさにかけては、

もんのすごく画期的なのです!

サルでもわかる?一番わかりやすい哲学入門の書

なぜわかりやすいかというと、

京都にで一人暮らしをしている

17歳の女の子児島アリサちゃんのところに、

現代人に扮した哲学者、

ニーチェ、キルケゴール、

ショーペンハウアー、サルトル、

ハイデガー、ヤスパースがやってきて、

家族と折り合いも悪く、

そのせいで、どこか冷めた性格の

アリサに生き方指南をするという

すごくうまくできた設定だからです。

 

はぁ?って感じるかもしれません。

 

しかし、これがまた哲学者のキャラを上手くとらえて、

キャラづくりしてあって、

楽しいってか、笑えるんですよね。

で、全然哲学を知らなくても、

キャラづくりがしっかりしてて、

楽しいんですよ。

 

わたしは一番、サルトルのキャラが印象に残ってます。

祇園でお肉とか食べさせてくれる、

オラオラ系のチョイワルおやじって感じなんですよ!

主人公と一番多く絡むニーチェは、

ゲームオタクなんです!

 一番好きなのは、ヤスパースのキャラですけどね。

祇園祭の夜に、浴衣を着て現れ、五条の「エイッシュ」(たぶん)

で、アリサにいい言葉たくさん教えてくれます。

 限界状況、つまり自分はどうしようもない壁にぶつかった人を、孤独から救えるのは、実存的交わりです。

 もちろん、自分でも立ち向かっていかなくてはならないし、強い心を持つことが大切なんだけど、実存的交わりが人を孤独から救います。

 言いかえるなら、人と人を繋ぐ、愛です。

 そして、このようにして、

ムズカシイ哲学のことを、

あたかも、どこにでもいるイケメンに、

ストーリーの中の会話として語らせているので、

とっても読みやすく、スッと頭に入ってくるという

わけなのです。

 

そして、先ほど「エフィッシュ」と書きましたが、

これは京都に実在するカフェです。

(行ったことはありません)

 

アリサとニーチェの最初の出会いは、

哲学の道でした。

 

このように彼らは実在する京都のカフェやバー、

甘味処などで、哲学談義を交わします。

祇園祭にも行きます。

京都出身の著者ということもあって

小説の舞台としての京都が、

すごくイキイキしているんです!

 

だから、この小説は京都のガイドブックとしての

別の顔もあるのです。

 

そして最後に、

わたしはこの本の中で、

ビビビーンとくる言葉に出会いました。

 

情熱をもって生きないと、

自分の世界は妬みに支配されてしまう。

Byデンマークの尾崎豊 キルケゴール

 

大衆からすると、個性をもって主体的に生きている人は”妬み”の対象になるのです。個性的な人たちの生き方が肯定されれば、自分たちの生き方が、ちっぽけでつまらないものに感じられたりしますからね。 

 

 たしかに、熱く生きている人をすごい!と思う反面、自分の生き方と違いすぎて、バカにしたくなる気持ちもたしかにわかります。

 

バカにする人は、自分の人生ではなく、他人の人生を妬むことに時間を費やしてしまっているのです。つまり『情熱をもって生きないと、自分の世界は妬みに支配されてしまう』といえるでしょう。 

 

ネットのインフルエンサーを

執拗に叩く人がいますが、

妬みに支配されているんでしょうね。

 

ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。

ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。

 

 

 

あなたも哲学を。

では、また~。

 

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